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ラグビー山田 eスポーツ挑戦で感じた共通点

2020/6/1 3:00
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eスポーツに挑戦したり、アスリートのキャリアを考えるオンラインイベントを開いたり――。ラグビー元日本代表の山田章仁(NTTコミュニケーションズ)が、新型コロナウイルスの影響でプレーできない中、積極的な活動を続けている。ラグビーの枠を超えた活動を続ける理由やそこで得たものを聞いた。

山田章仁は昨年、NTTコミュニケーションズに移籍。ラグビーの枠を超えた活動を続けている=NTTコミュニケーションズ提供

山田章仁は昨年、NTTコミュニケーションズに移籍。ラグビーの枠を超えた活動を続けている=NTTコミュニケーションズ提供

――緊急事態宣言が発令された4月に自動車レースのeスポーツを始めた。

「もともとスタジアムの運営に興味があり、アリーナのイベントとして盛り上がっているeスポーツがどういう興行をしているのか、気になっていた。コロナで家にいる時間も長くなり、新しいジャンルがどう成長していくのか、ちょっと踏み込んでみようと思った」

――鹿児島国体の文化プログラムとして開かれるeスポーツ大会の都道府県予選にも挑戦した。

「コントローラーをセットしてぶっつけ本番くらいだったのでトップとは20秒くらい差があった。これからも大会に出たいし、いい成績を1つ残したい。(昨年のスーパーフォーミュラ王者の)ニック・キャシディは、eスポーツでもいいタイムで走ったと聞く。いつか、彼とフレンドリーマッチで対戦できるレベルまでいきたい」

――ラグビーとeスポーツの共通点や相違点は。

「目標に向かっていくエネルギーは同じ。大会が近づくとやらなくちゃいけないという気になるし、終わると気が抜けちゃう。睡眠時間や栄養などのコンディショニングや健康維持はeスポーツでも大事だと思う。逆に違いは、体を動かすかどうかくらいじゃないか」

■スピードの強弱 学ばされる

――ラグビーではトライを取るWTBを務める。速さが大事という点はレースゲームとも似ているような。

「スピードを争う『競技』では、スピードの強弱が大事だと改めて感じた。トップスピードじゃなくて、カーブの前のブレーキのタイミングだったり、いかに自分の思った所でスピードを落とせるか。アスリートは自分の体をしっかり理解しないといけないけど、eスポーツもブレーキなど自分の車の性能を知っておかないといけない。相手を一気に抜いた時の感触などもラグビーと似ているところがある。コースや後ろの車がどこにつけているかを見ておくなど、視野が広くないといけないのも同じ」

――2012年にラグビーと並行してノジマ相模原でアメリカンフットボールのXリーグに挑戦した。eスポーツの経験がラグビーに何か影響を与えそうか。

「ゼロじゃないと思う。アメフトへの挑戦はラグビーのためではなかったけど、結果的に視野が広がった。(ボールを持たない選手にもタックルできる)アメフトはタックラーがいつも僕に向かって来る。それでラグビーをやった時により広いスペースを見られるようになった。eスポーツのスキルが直接ラグビーに生きることはないと思うが、スピードの強弱が大事と改めて感じるなどメンタル的な効果はある。eスポーツの人もトラディショナルスポーツや運動をするといい影響があるのでは」

――トップリーグが3月に打ち切りになり、ラグビーができない中でeスポーツ以外の活動にも意欲的だ。

「日本は海外と比べてアスリートの価値がちょっと低い。ラグビー選手のブランド価値を高めようと色々やっている」

インターネット上でインタビューに答える山田章仁

インターネット上でインタビューに答える山田章仁

――ラグビー選手の中でいち早く始めたユーチューブでは登録者数や動画の公開数でトップクラスだ。

「自分の成長につながったものを、現役でいる間に伝えることにこだわっている。僕もそうだが、小学生の時には年配の人の話を聞くことがあまり好きじゃなかった。元選手の人のすごさも分かっていなかった。ちびっ子に分かりやすい存在の時に情報を発信できたらいい。NTTコミュニケーションズのメンバーを知ってもらいたいという思いもある」

■就職活動のイベント企画も

――「就職活動」をテーマにした、一般参加型のオンラインイベントも5月に始めた。ビジネスマンを招いて就職や転職の実態を聞くとともに、自分の移籍経験や監督へのアピール術などを語っている。

「僕はラグビーをやりながらもずっと一般社会に目線を置き、自分の経験を世のために生かしてお金をもらおうと考えてきた。試合で海外に行った時も時間が合ったらスタジアムを見に行ったり、マネジメントの人に話を聞いたりしていた。24時間練習しているわけじゃないので、空いた時間を生かしたいなという思いからだ。せっかくなので勉強してきたことを伝えられたらいい」

「大学生や高校生、転職や独立を考えている人はもちろんだが、トップアスリートにも見てもらいたい。イチローさんのような人を除いたアスリートの中には、今回のコロナのような状況で職を失う人もいる。昔はプロスポーツ選手は外に目を向けるなっていう風潮もあったし、アスリートは他の業界を知る機会も少ない」

――昨年、強豪のパナソニックからNTTコミュニケーションズに移籍した。ラグビーが再開される時に向けてどういう気持ちで準備しているのか。

「ラグビーは仲間と一緒につくり上げるものというのが、自分の人生のルーツにある。それを日本代表やパナソニックで学べた。人生のルーツに戻り、NTTコミュニケーションズが目指す、勝ち=Victoryと、価値=Valueのあるチームにできるように力を尽くしたい」

(聞き手は谷口誠)

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