ブラジル、コロナ新規感染者数で米国抜き 世界最多に - 日本経済新聞
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ブラジル、コロナ新規感染者数で米国抜き 世界最多に

【サンパウロ=外山尚之】ブラジル政府は27日、新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が2万人を超えたと発表した。米国を上回り、世界最多となったもようだ。足元で貧しい地域や地方都市への感染が広がっており、収束には時間がかかりそうだ。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計(日本時間28日午後7時時点)によると、米国の新規感染者数は約1万8千人で、4月下旬に記録したピーク時から半減している。一方、ブラジルは上昇傾向が続いていた。検査態勢が十分でなく、実際の感染者数は10倍以上にのぼるとする推計もある。

足元で感染が広がっているのが、低所得者が多い、大都市のファベーラ(貧民街)や郊外、地方都市だ。衛生環境が悪い場所に密集して住んでいる人が多く、感染の温床になっている。

各州とも飲食店や商店の店舗営業を禁じる外出自粛令や都市封鎖(ロックダウン)で感染抑止に動くが、その日暮らしの人が多く、人の移動を防ぎきれていない。また、新型コロナを「ただの風邪」と呼ぶボルソナロ大統領は市民に外に出て働くよう呼びかけており、政治混乱も感染拡大の要因となっている。

ブラジルは国土の大半が南半球にあるためこれから冬を迎えることもあり、収束するまで時間がかかりそうだ。

経済状況の悪化がさらなる感染拡大を引き起こす可能性もある。最大都市サンパウロ州のドリア州知事は27日、6月1日から段階的に外出自粛令を緩和すると発表した。病床の空き状況などを見て判断するとしているが、外出自粛令の長期化で経済が疲弊する中、経済界や市民から経済再開の要請が相次いでおり、押し切られた形だ。

欧米諸国がピークを超える一方、中南米ではペルーやチリ、メキシコなどでも感染拡大が続いている。どの国も貧富の格差が大きく、抜本的な対策をとれていないことが感染拡大の要因となっている。

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