景気「急速な悪化」続く 5月月例経済報告 雇用・設備投資の判断下げ

2020/5/28 17:33
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政府は28日にまとめた5月の月例経済報告で、景気は「急速な悪化」が続いているとの認識を示した。新型コロナウイルスの感染拡大による企業業績の悪化を受け、雇用や設備投資の判断を引き下げた。政府の緊急事態宣言は25日までに全国で解除された。個人消費を中心に一定の持ち直しが見込まれるが、雇用情勢次第では景気の低迷が長引くおそれがある。

政府は月例経済報告で月に1度、公式な景気判断を示す。新型コロナの感染拡大を受け、4月まで2カ月連続で景気判断を下げてきた。5月は3カ月ぶりに判断を据えおいた。景気の急速な悪化が続き「極めて厳しい状況にある」との認識は変えなかった。

内閣府の集計では、上場企業の経常利益は1~3月期に前年同期比で60.3%減った。国内外で需要が蒸発し、製造業・非製造業を問わず厳しい状況にある。

個別項目をみると、輸出の判断を「急速に減少している」に引き下げた。4月の貿易統計では、経済活動の再開で先行する中国向けは前年同月比4.1%減どまりだった。欧米向けは3~4割減った。主力の自動車輸出の落ち込みが大きく、生産にも波及している。

設備投資は「弱含んでいる」に下げた。1~3月期の国内総生産(GDP)速報値では、設備投資は2四半期連続のマイナスに沈んだ。足元ではこれまで堅調だったソフトウエア投資にも陰りがみられるという。

雇用情勢は3カ月連続で判断を引き下げ、「弱さが増している」とした。失業率は米欧のように悪化していないものの、日次の有効求人数は減少傾向にある。内閣府がハローワークのオンライン求人数を集計したところ5月は28日時点で前年同期比26%減った。3月の16%減、4月の21%減から減少幅は拡大が続く。

政府は25日に緊急事態宣言を全国で解除し、徐々に経済活動を再開する段階に移った。世界経済も7~9月期以降は持ち直しが見込まれ、個人消費や輸出は下げ止まりが期待される。回復軌道を確かにするには「雇用環境の悪化が止まる必要がある」(内閣府幹部)。

企業の雇用調整は今のところ労働時間の削減や政府の助成金を活用した一時帰休が中心だ。世界経済の回復が遅れたり、国内で感染の「第2波」が起きたりして、企業が賃金カットや人員整理にまで乗り出せば、景気の悪化が長引くおそれがある。

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