成田空港、旅客数激減 21年3月期に巨額赤字も

2020/5/28 17:06
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成田国際空港会社は28日、4月の国際線旅客数が単月では1978年の開港以来最低の6万9849人だったと発表した。前年同月比では98%減だった。外国人・日本人旅客別でも最も少なく、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な航空需要の低迷が改めて浮き彫りになった。長期化する旅客減の影響で2021年3月期は巨額赤字になる見通しだ。

記者会見する成田国際空港会社の田村社長

記者会見する成田国際空港会社の田村社長

国際線の路線別旅客数をみると、出国旅客数は全路線とも97%超の減少だった。感染拡大が一服したとされる中国線も97%減と全く回復していない。オセアニアやグアム、アフリカの各路線は100人程度にとどまった。航空機発着回数は85%減の2238回で、4月としては過去最低だった。

国内線も県をまたいだ人の往来の自粛要請の影響を受け、88%減の7万1172人にとどまった。発着回数も68%減の1412回と落ち込んだ。国際・国内線ともに航空業界が深刻な状況であることが鮮明になった。

同社が同日発表した20年3月期の連結純利益は、前の期比32%減の244億円だった。東京五輪・パラリンピックに備えた施設整備などで当初から見込んでいた赤字幅がコロナ禍の影響により、2月以降に急拡大した。売上高は19年4~9月期時点で訪日外国人客の増加などを背景に増収を見込んでいたが、一転して5%減の2371億円に落ち込んだ。

厳しい状況は21年3月期も続く。5月1~23日の発着回数は国際・国内線ともに9割近い減少だった。田村明比古社長は21年3月期中には航空需要が回復しない可能性を示唆。先行きが見通せないことから公表を見送った21年3月期の純利益と営業利益、経常利益が数百億円規模の赤字になる可能性を明らかにした。

苦境が続く航空会社に対しては着陸料などの支払い猶予措置を当初の6月から9月まで延長し、可能な限り負担を軽減する。一方、同社は国や金融機関に支援を求めるほか、経費削減などを進めることで、長引く航空需要の停滞を乗り切る方針だ。

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