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20年度の実質成長率はマイナス7.0%、21年度は3.5%成長 NEEDS予測

厳しさ増す景気、感染警戒で本格回復遠く

日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が5月18日に公表した20年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値を織り込んだ予測によると、20年度の実質成長率はマイナス7.0%、21年度は3.5%の見通しとなった。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、4~6月期の日本経済は個人消費や輸出が前期からさらに減少する。7~9月期以降はプラス成長となるが、感染リスクに対する警戒感は強く、本格的な景気回復には時間がかかりそうだ。

前期比0.9%減――20年1~3月期

1~3月期の実質GDPは前期比0.9%減(年率換算で3.4%減)と2四半期連続のマイナス成長だった。民間最終消費支出(個人消費)も2四半期連続のマイナスで、前期比0.7%減少した。特に、外食や宿泊、レジャーなどサービス消費が同2.3%減と落ち込んだ。設備投資や住宅投資も前期比マイナスが続いた。

輸出は前期比6.0%減と東日本大震災直後の11年4~6月期以来の落ち込みとなった。入国制限により訪日外国人(インバウンド)が減少し、財輸出よりもサービス輸出の減少の方が大きかった。

消費、回復の勢い弱く

4月以降、外出自粛の影響で個人消費は一段と落ち込んでいるとみられる。4~6月期の消費は前期比6.1%減を見込む。緊急事態宣言は5月25日に全国で解除されたが、感染リスクへの警戒から外食や旅行を控える動きは今後も続きそうだ。

景気の急速な悪化は雇用・所得環境にも波及する。GDPベースの雇用者報酬は4~6月期以降、前年同期比でマイナスに転じる見込み。20年度の個人消費は、雇用・所得環境の悪化も響き、前年度比4.8%減少するとみている。その後も回復の勢いは弱く、21年度は同3.5%増を見込んでいる。

輸出は3割超の減少へ

4~6月期の海外経済は感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)などの影響で深刻な状況にある。20年の成長率は米国がマイナス5.7%、中国はマイナス0.2%と見込んでいる。なお、新型コロナの有効なワクチンや治療薬の開発には時間を要し、各国とも消費や設備投資は抑制基調が続くと想定した。

海外需要の減少で、日本の輸出も大幅な落ち込みは避けられない。財務省が5月28日に発表した4月の輸出数量指数(確報)は前年同月比21.3%減だった。米国、欧州、アジアすべての地域向けで減ったが、特に米国向けが同36.9%減と減少率が大きかった。また、インバウンドの減少でサービス輸出も落ち込みが著しい。入国制限の緩和は国内外の感染状況を見極めながら徐々に進められる見通しで、サービス輸出の減少はしばらく続くとみている。

4~6月期の日本のGDPベースの輸出は前期比33.5%減に落ち込む。その後も回復には時間がかかり、20年度は前年度比35.4%減となる。21年度は同14.6%増の見通しだ。

利益半減で、設備投資を控える動き強まる

企業部門は厳しい局面を迎えている。経済産業省が5月19日に発表した3月の鉱工業生産指数(確報値)は前月比3.7%低下した。工場休止などで4月以降は一段と低下したとみられる。飲食・宿泊業などサービス業の収益悪化も深刻だ。法人企業統計ベース(全産業・金融、保険を除く)の経常利益は4~6月期に前年同期比65%減、7~9月期は同55%減となり、年度でも前年度からほぼ半減するとみている。

企業収益の悪化や景気に対する先行き不透明感から、GDPベースの設備投資はマイナスが続く公算が大きい。20年度の設備投資は前年度比8.7%減、21年度は同4.0%増の見通し。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが20年5月に公表した短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 山崎理絵子、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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