ゴールドマン社長「景気はW字回復」 4~6月期も引当増

2020/5/28 7:56
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【ニューヨーク=宮本岳則】米金融大手ゴールドマン・サックスは27日、融資先の焦げ付きに備えて計上する貸倒引当金について、2020年4~6月期は前四半期を上回る水準になるとの見通しを明らかにした。ジョン・ウォルドロン社長兼最高執行責任者(COO)は景気回復の道筋について「V字」とはならず、浮き沈みを繰り返す「W字」になると見方を示し、企業や家計の信用リスクを引き続き注視すると述べた。

ゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン社長兼COO

ウォルドロン氏は26日、米バーンスタイン主催の投資家向けオンライン会合に登壇し、直近の事業環境や今後の戦略について説明した。ゴールドマンは20年1~3月期に貸倒引当金繰入額として9億3700万ドル(約1000億円)を計上し、収益押し下げの一因となった。4~6月期についても急激な経済収縮や失業率の上昇を勘案すると、引当金の繰入額はさらに増えるという。

米国の家計と企業の信用リスクについて注視する姿勢を強調した。ウォルドロン氏は「政府の支援策が終わりを迎えると、家計のバランスシートはより大きく傷むだろう」と述べた。政府の融資支援プログラムの対象から外れ、資本市場からの調達も難しい企業が存在すると指摘した。そのほかのリスクとして、不安定な商品市場や米中対立などを挙げた。

新型コロナの感染拡大は成長戦略にも影を落とす。ゴールドマンはトレーディング依存の収益構造からの脱却を目指し、安定した手数料収入が見込める富裕層向け資産管理ビジネスを重点分野に据えた。先行するモルガン・スタンレーやバンク・オブ・アメリカなどを追撃する構えだったが、投資アドバイザーの採用が遅れている。IT(情報技術)を活用した顧客向け新サービスの開始も「21年に先送りする」(ウォルドロンCOO)と表明した。

米銀大手は今期決算で多額の貸倒引当金計上を迫られている。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は26日、ドイツ銀行のオンライン説明会に登壇し、4~6月期の貸倒引当金が前四半期と同水準になると表明した。1~3月期は引当金と貸倒損失を合計した不良債権処理コストが前年同期に比べて約5倍の83億ドルに膨らみ、純利益は大幅減となった。現行の会計ルールでは失業率などマクロ指標を基に引当金の前倒し計上が求められる。

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