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トランプ氏、もろ刃のツイッター批判 「閉鎖辞さず」

(更新)

【ワシントン=中村亮】米ツイッターがトランプ米大統領の投稿に事実誤認の疑いがあると注意喚起したことに関し、トランプ氏が批判を強めている。これまでに事実誤認などを含む言動は1万8000回にのぼり、注意喚起で虚偽が発覚すれば主張の正当性が下がるからだ。一方、11月の大統領選では新型コロナウイルスの感染拡大でデジタル戦略の重要性が増し、SNS(交流サイト)の過度な規制強化は再選に逆風となりかねない。

「SNSを強力に規制するか、閉鎖させる」。トランプ氏は27日、ツイッターで不満をぶちまけた。ツイッターは26日、虚偽が疑われるトランプ氏の投稿に注意喚起し、閲覧者に事実確認を促す措置を取った。トランプ氏はこれまでもSNSが野党・民主党に味方しているなどと非難してきたが、自身の主張を妨害するかのようなツイッターの「直接介入」に激高した。

米紙ワシントン・ポストによると、トランプ氏は大統領就任からの3年超で1万8000回にわたって事実誤認を含んだり、誤解を招きやすかったりするような発言をしてきた。そのうち約2割がツイッターを介した。事実誤認をいとわず保守派の主張に偏った考えをツイッターで直接発信し、支持基盤である保守層の熱狂をあおってきた面は大きい。ツイッターの新機能はこうした戦略に水を差す可能性がある。

ツイッターが「ファクト・チェッカー(事実確認者)」として政権に批判的な米メディアを引用している点にも不満を募らせる。コンウェー大統領顧問は27日の米メディアのインタビューで「彼らは(11月の大統領選で)バイデン前副大統領を支持し、トランプ氏の攻撃ばかりしている」と批判。民主党やテック企業、メディアが共謀し、トランプ氏を打倒しているとの見方を強める。

マクナニー大統領報道官によると、トランプ氏は28日にもSNSを対象とした大統領令に署名する。SNSに対する何らかの規制強化策を講じる可能性がある。ただツイッターの注意喚起は政権や議会が要望してきたSNS上の偽情報対策の一環でもある。政権に不都合だとの理由で、発信者に注意を促すツイッター側の対応を覆す措置などを講じれば本末転倒だ。

トランプ氏はこれまでもSNSの規制強化に触れてきたが、抜本的な措置に踏み込んでいない。実効性のある措置が難しいとされることに加え、SNSはトランプ氏にとってメリットがなお大きいとみられているからだ。

たとえばトランプ氏のツイッターのフォロワー数は8000万人を超え、バイデン氏(550万人)を大きく上回る。調査会社ピュー・リサーチ・センターが19年夏にまとめた調査によると、米国内では大人のツイッター利用者のうち5人に1人がトランプ氏をフォローしている。リツイートを通じて主張が全米に拡散しているとみられる。

新型コロナの影響でトランプ氏が好む大勢の支持者を集めたイベントをいつ再開できるかは不透明だ。SNSによる情報発信の重要性が増すなかで、過度な規制で強みであるはずのSNSの使い勝手を悪くすれば大統領再選にかえって逆風になるリスクがある。

保守系政治団体の関係者は「共和党員はファクト・チェッカーが必ず正しいと信じておらず規制を強める必要はない。大統領はこれまで通りにツイッターで情報発信していくだろう」とみる。

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