20年のエネ投資43兆円減、過去最大の縮小 IEA予測

2020/5/28 3:04 (2020/5/28 4:52更新)
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【ロンドン=篠崎健太】国際エネルギー機関(IEA)は27日、2020年の世界のエネルギー関連投資が前年比で約4千億ドル(約43兆円)減り、1兆5千億ドル程度になるとの予測を発表した。新型コロナウイルスのまん延による資源価格の急落や開発中断などで、過去最大の縮小となる。再生可能分野の投資も減速する見通しで、IEAはエネルギー転換への悪影響に懸念を示した。

5月半ばまでの各国政府や企業の発表、業界関係者への聞き取りなどから推計した。年初の時点では約2%増と14年以来の高い伸び率を見込んでいたが、新型コロナの影響で20%減と暗転した。

主な内訳では、石油・ガスの上流部門が32%減となる見通しだ。20年の世界の石油消費額は1兆ドル以上減ると想定しており、業績悪化に見舞われた石油メジャーが投資を大きく絞る。米国が主導するシェール関連の投資額は5割減と見積もった。石炭関連は15%減、電力関連は10%減とそれぞれ予測した。

再生可能エネルギー分野の投資も10%減る。ビロル事務局長は声明で、クリーン関連への投資減速が「必要とされている持続可能なエネルギー分野への移行を妨げる恐れがある」と懸念を示した。石油・ガスの落ち込みで相対的な比率は高まるが、投資額は化石燃料からのエネルギー転換の加速に必要な水準に遠く及ばないとみている。

IEAは石油関連の投資急減で、中期的に供給不足に陥る可能性も警告した。仮に投資額が20年の予測水準にとどまり続けると、25年の石油供給量は従来の想定より日量約900万バレル少なくなるという。報告書は「需要が急回復して危機前に戻れば需給逼迫のリスクが高まる」と指摘した。

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