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中部銀次郎語録 珠玉の言霊10(下)

2020/6/8 3:00
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中部銀次郎さんがのこした言葉は、ゴルフの神髄を表している。深く心に残り、ゴルフの奥深さを味わわせてくれる。もちろん、上達への大きなキーワードでもある。そして、それはビジネスにも通じ、普段の生活にも役立つ珠玉の言葉である。これだけはしっかりと覚えておいてほしい、とっておきの中部語録を10選んでみた。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ 2020特別編集号」から)
(6)最悪を覚悟して、最善を尽くす

禍福はあざなえる縄のごとし、という言葉があります。ゴルフでは、望ましいことと望ましくないことが五分五分で起こります。だとしたら、福を望むより、禍を覚悟しておいたほうがいいと私は思います。

福を願って禍の現実に直面するのはきついものです。アンラッキーが当たり前、そう思っておけば実際に不運に遭遇しても覚悟ができている分、冷静に対処できます。

お願いだから良いライであってくれよ、そう思って行ってみたら最悪のライ。こういうときの心理的ダメージは修復できないくらい大きいものです。

心理的に動揺したら、良い結果はまず得られません。最悪を覚悟して、最善を尽くす。いつもそういう気持ちでプレーしていれば、少なくとも心理的な負担は軽くなります。そして、どんな場合でも最善を尽くしていれば、自分の気持ちが動揺しないで済みます。

たとえ最悪な事態に直面しても最善を尽くす。よくいわれるように、人事を尽くして天命を待つ。そういう心境でプレーしていれば、どのようなことが起ころうが戸惑うことはなくなるはずです。

(7)原因は何であれ、結果は潔く受け入れる

ゴルファーはどのような原因でどのような結果を招いても、その結果を受け入れる責務を背負っています。その点、ゴルフは実に潔いゲームといえます。

突然風の向きが変わったり、強くなったり弱くなったり。バウンドの加減でボールが林に入ったり出てきたり。刈り残した1本の芝がボールの方向を変え、パットが入ったり外れたり。原因は何であれ、結果は潔く受け入れることです。そこにゴルフの面白さがあると私は思っています。

しかしながら、なかなかそうはなれないのがゴルファーで、自分でミスをしているのに、コンチクショーとかバカヤローと叫び、クラブを地面にたたきつける人がいます。腹を立てたり、悔しがったりするのはその人の勝手ですが、そういう状態のまま、次のショットをしてもうまく打てる可能性は極めて小さいものです。

すぐにミスを忘れるのは難しいですが、最初からミスを許容するようにすれば、ゴルフは楽になります。許すということは、ミスを認めること。ミスを素直に潔く受け入れる心を持っていれば、ミスの原因究明も正しくできるのです。

(8)ゴルフには平均の法則が作用する

ゴルフは確率のゲームです。1ラウンドのうちには、ラッキーもあれば、アンラッキーもあります。ナイスショットとミスショットも、大体交互にやってきます。

ティーショットが真ん中に飛んだと喜んでいるとセカンドショットをダフったり、バンカーショットをミスしてピンを大きくオーバーしたら、長いパットが一発で入ったり。たまにいいスコアが出るかと思えば、思わぬ大たたきもする。でも、ならせば大体ハンディキャップなりのスコアになってくるものです。

ハンディキャップ18のゴルファーが、7ホールを終わってパープレーということがあったとして、「生まれて初めて30台のスコアが出る!」と喜び勇んでみるものの、残る2ホールでダブルボギー、トリプルボギーを打って41ということなど、まったく日常茶飯事です。

大たたきをしても腐ったりしないで、どこかでいいこともあるだろうと、気楽に構えていれば必ずいつか流れは自分に来るものです。ラッキーとアンラッキーは必ず同じ数になるはず。それをアンラッキーばかり嘆いて、ありもしない技量を発揮しようとして取り返そうとするから泥沼にはまるのです。

(9)次善を求めて、最善を尽くす

ティーショットで、ベストルートは左コーナーぎりぎり、だけどそこにはバンカーなり林なりOBがある。それを越せばショートアイアンでグリーンが狙える。右は安全圏。だけどグリーンへは遠回り。大きなクラブで打たないと届かない。最善を求めれば当然、左ぎりぎりを狙うわけですが、ちょっとでも左へそらせばトラブルに遭遇します。悪くすればOBなわけですから、百点満点のショットが求められるわけです。

私はいつでも百点満点のショットは求めません。普段からそういうゴルフをしていないからです。最善を尽くして最善を求めるというのは、自分に三重苦を強いるようなものですから、それをはねのけるだけの精神力が要求されます。うまくいけばベストポジション、失敗すればOB。100点と0点が隣り合っているわけで、このショットには次善というものがありません。

失敗したときのリスクを背負って、最善を尽くせる可能性は極めて小さいのです。それだったら、多少遠回りでも右の安全圏を狙い、次善を求めて最善を尽くすことです。どれだけ気持ちが楽になることか。穏やかな気持ち、おおらかな気持ちでショットができるのです。

(10)ゴルフは「姿勢」が問われるゲームである

「姿勢」とは、体の構え(アドレス)と、心の構えの両方です。

ゴルフは、アドレスに始まって、アドレスに終わるといっても過言ではありません。それほど、ゴルフではアドレスが大事です。また、プレーする上では、心の構えも問われます。心の構えがその人のゴルフを決めるのです。

ゴルフ場というところは、日常生活と同じような、つまり普段通りのことがやれない場所です。ゴルフ場へ行ったときだけ、急に「姿勢」を正そうとしても手遅れです。日常が乱れていたらなおさらです。

ですから、私は街を歩くとき、車や電車で長時間座り続けるとき、食事をしたり酒を飲んだりするとき、いつも「姿勢を正す」ようにしています。「姿勢を正す」ことを習慣化した人は、していない人よりはるかに本筋に近づく可能性が高いと思います。

投げやりなショットを一回たりともしない習慣を身につけた人は、身につけていない人よりゴルフの本筋をつかむチャンスに恵まれます。常に穏やかな気持ちでプレーしている人は、ショットのたびに一喜一憂する人より、理不尽なことを克服する能力が確実に高まるのです。

日常生活の過ごし方ひとつで、ゴルフぶりは確実に変わります。ゴルフとは、そういうものです。

(語録:杉山通敬、文:金子数栄、写真:北川外志広)

「書斎のゴルフ」公式ホームページはこちら。http://syosainogolf.com/index.html

書斎のゴルフ 2020特別編集号 読めば読むほど上手くなる教養ゴルフ誌 (日経ムック)

出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,430円(税込み)

中部銀次郎 ゴルフの要諦 伝説のゴルファーに学ぶゴルフの大原則 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 本條 強
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 825円(税込み)

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