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手続き煩雑、追随の動き鈍く 野村アセット、投信併合を完了

金融最前線
2020/5/27 21:00
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野村ホールディングス傘下の野村アセットマネジメントは27日、公募投資信託の併合を完了した。制度上、併合が事実上解禁されてから12年で、国内初の事例となる。日本の投信市場は小規模投信が乱立し、運用効率を悪化させているとの批判がある。もっとも、第1弾が出たとはいえ併合の実務面でのハードルはなお高く、同業他社で追随する動きは限定的だ。

投信併合は2007年に信託法で認められ、14年に手続きが緩和されたが、野村アセットが併合を発表したのは19年11月だった。

今回は「野村インデックスファンド・国内債券」を存続ファンドとし、「野村ターゲットプライス『日経225』」を併合した。26日の純資産残高をもとに、消滅する投信の1口に対し、存続ファンドを約1.11口交付する。投資家には損得は発生せず、運用を続けられる。

併合による整理は待ったなしの課題だ。公募投信本数は19年末時点で約6000本と10年前から6割超増えた。モーニングスター・ダイレクトによると、残高10億円未満の投信は本数では全体の4割を占めるが、純資産残高では1%にすぎず「小粒投信」が多い。かつては証券会社の手数料獲得のために「新商品」と銘打ち、系列の運用会社が似た内容の投信を大量に設定していたためだ。

ただ、投信は規模にかかわらず、投資家向けの運用報告書を作成・送付する必要があるほか、ファンドマネジャーの手間も増えるなどコストがかかる。運用会社同士の合併で、同じ会社に類似する投信が複数存在する事情もある。ここ数年は小規模な投信を閉じて投資家に現金を返す「繰り上げ償還」などが増えてきたが、この方法だと運用資産が減ってしまう。併合はこうした欠点を克服する唯一の方法で、「貯蓄から投資」を掲げる金融庁も19事務年度の行政方針に併合を掲げて後押ししてきた。

もっとも、野村アセットは幸運なケースでもある。併合では顧客の口座を管理する証券会社や、資産を保管する信託銀行、投信情報を管理するシステム会社と多方面との調整が不可欠だ。野村はすべてグループ内で完結できる点が実現に大きく貢献した。それでも、同社で併合を担当したプロダクト・マネジメント二部の佐野一星部長は「(併合比率の決め方など)細かい手続きが定まっておらず、当局などに一つ一つ確認する必要があった」と振り返る。「資本が異なる関係者に負担を強いるのはハードルが高い」(国内運用会社)との声もあり、現段階で追随する動きは乏しい。

野村アセットは今後、今回の投信併合で得たノウハウを業界で共有する方針だ。佐野氏は「併合の手続きを具体的に明らかにして事例が増えてもらえれば」と話す。運用効率が高まれば、顧客負担の信託報酬を引き下げる余地も増える。今後は業界をあげて取り組めるかが焦点になりそうだ。

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