古いミシンも再び脚光 手製マスク広がり、修理殺到

2020/5/27 10:03
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修理したミシンで試し縫いをする川副薫さん(19日、佐賀県神埼市)=共同

修理したミシンで試し縫いをする川副薫さん(19日、佐賀県神埼市)=共同

「新品のようになって……」。約15年間、家の倉庫に眠っていた足踏みミシン。修理を終え小気味よい音をたてる様子に、依頼者の女性(78)が目尻を下げた。新型コロナウイルス感染拡大でマスクを手作りする動きが広がる中、ミシン販売店には修理依頼が殺到しているという。

佐賀市の「川副ブラザー販売」店主、川副薫さん(71)は5月中旬、修理したミシンを佐賀県神埼市の女性宅へ届けた。半世紀ほど前、嫁入り道具として女性が母親から贈られた年代物。グリースが固まって針の動きが重くなり、さびやカビが生えていたという。福岡市に住む大学生の孫娘がいる女性は「これでマスクや通学用のバッグを作ってあげられる」と声を弾ませた。

修理依頼が増え始めたのは2月下旬。通常は月に10件前後だが、3月は約30件、4月は約90件に達した。5月も既に約60件に上っている。新品のミシンもすぐに在庫が尽き、4月には入荷も見込めなくなった。

店に携わって約50年の川副さんにも経験のない忙しさで、大型連休が過ぎるまでほとんど休日がなかったという。ただ「皆が新型コロナで大変な中、『うれしい悲鳴』とは言えない」と、思いは複雑だ。一刻も早い収束を願いながら「マスク作りが他の小物や服を作って楽しむきっかけになってほしい」と期待する。〔共同〕

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