埋もれたミステリー映像化 愛知、探偵小説の草分け

2020/5/27 9:58
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日本の探偵小説家の草分けでありながら忘れられた存在となっている作家、小酒井不木(こさかい・ふぼく)の出身地、愛知県蟹江町が、生誕130年に合わせ小説を原作としたショートムービーを制作、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。ゆかりの小説家にスポットを当て「ミステリーの町」としてアピールしたい考えだ。

小酒井不木の出身地、愛知県蟹江町が制作したショートムービー「死体蝋燭」の一場面(ユーチューブから)=共同

小酒井不木(愛知県蟹江町提供)=共同

嵐の夜、寺の本堂から怪しげな物音を聞き、ろうそくを持ち見回りに向かう和尚と小坊主。すると、いつもは柔和な和尚の様子が一変、ろうそくにまつわる恐ろしい事実を告げる――。不木の短編小説を基にした「死体蝋燭(ろうそく)」は約13分ながら、最後まで展開が読めない作品となっている。

不木は1890年、蟹江町で地主の長男として生まれ、医学者として東北帝国大教授を拝命した。海外留学中に触れたコナン・ドイルなどの探偵小説に影響を受け、医学の知識を生かした小説を執筆。江戸川乱歩らとも交流があった。1929年に38歳で病没するまでに約140作を残した。

今年が不木の生誕130年に当たるため、町は昨年度から映像事業を開始。映画監督の堤幸彦さんからも脚本や映像編集で助言を受けた。主演の和尚役には日本舞踊「西川流」家元の西川千雅さんを迎えた。

町の担当者は「江戸川乱歩、横溝正史にも影響を与え、推理探偵小説というジャンルを確立した不木にスポットが当たらないのはミステリー界にとって損失だ」と話した。2022年度までにさらに2本の映像を制作する予定だ。

〔共同〕

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