コロナ差別なくそう 愛媛発シトラスリボン運動
ウエーブ愛媛

2020/5/26 19:42
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リボンを生かしたアクセサリーなどで運動を発信する甲斐准教授。リボンの色は黄緑以外でもOK

リボンを生かしたアクセサリーなどで運動を発信する甲斐准教授。リボンの色は黄緑以外でもOK

3つの輪をかたどったシトラス(かんきつ類)カラーのリボンをつけ、思いやりの輪を広げて、新型コロナウイルス感染者や医療従事者への差別をなくそう――。松山大学の教員らが立ち上げた市民グループによる「シトラスリボン運動」が、愛媛県を中心に広がりをみせている。賛同者は活動の趣旨に沿ってロゴマークを活用。個人のほか企業も動き出した。

愛媛県内の家庭に設置されているごく普通のLPガス容器に、4月下旬からちょっとした変化があった。側面上部には3つの輪を持つリボンマーク。運動のシンボルだ。

LPガス販売のエネロ(松山市)は、約4万世帯に順次導入している。配送員が顧客に活動内容を説明すると、「いいことだね」と前向きな反応も多いという。水代健副社長は「もし当社関係者が感染すれば、ガス供給に支障が生じる懸念もあり、ピリピリした空気の中で業務をしてきた」といい、「誰でも感染の可能性はある。患者や家族への差別の話を聞くと、心が痛かった」と話す。そんなとき、知り合いの経営者がフェイスブック上で紹介していたシトラスリボン運動に共感し、「たとえ売り上げにつながらなくとも、今は社会全体を考えて行動すべきだ」と参加を決めた。

側面にマークを印刷したガス容器

側面にマークを印刷したガス容器

シトラスリボン運動の始まりは、松山大学法学部の甲斐朋香准教授や企業経営者ら6人が設立した市民グループ「ちょびっと19+」。4月に活動を始め、「ただいま、おかえりって言いあえるまちに」とのメッセージを込める。

愛媛の特産といえばミカンなどのかんきつ類。かんきつ色のリボンやヒモで、「地域」「家庭」「職場(または学校)」を象徴する3つの輪を作り、あとはそれを身につけたり、玄関などに掲示したりすればいい、という緩やかな運動だ。リボンの色も甲斐准教授らが作った黄緑色が浸透しているが、オレンジ色でもレモン色でもOKだ。

こうした活動内容は、フェイスブックなどSNS(交流サイト)を通じて発信する。ある有志はリボンの結び方を紹介する動画をアップした。松山市の就労継続支援B型事業所「風のねこ」では、マークの入ったマスクなどを手作りして販売している。

共感の輪は愛媛県外にも広がっている。京都市の記念品製造販売の小川金正堂は、自社設備を生かして缶バッジを作製した。これまでに約200個を作り、店頭で無料配布している。小川隆之社長は「妻が元看護師で、医療従事者の知り合いも多い。みんなが優しくなれたらいい」との思いを込める。

このほか東京や福岡などでも、テークアウトの料理にシールを貼って販売する飲食店があるという。甲斐准教授は、愛媛でも感染者の行動歴を特定しネット上などで批判する風潮があることを指摘。「他者に対して厳しすぎる目を向けると、地域社会は窮屈になる。文化的なことを享受できる魅力が失われれば面白い人はいなくなる。コロナ収束後の地方衰退にもつながる」と懸念を示す。

そんな中、一般の人でもできる活動として「おうち時間に親子でリボンを作ってみるのも一つの手。手を動かしながら子どもと差別について話し合い、理解を深める機会になれば」と提案する。

(棗田将吾)

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