/

中国地方の上場企業、今期予想「未定」6割超える

新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、中国地方に本社を置く上場企業の業績が見通しづらい状況になっている。3月期決算の41社(金融を除く)のうち、6割超にあたる26社が2021年3月期の業績予想を「未定」とした。予想を開示した企業でも損益悪化の見通しが目立つ。企業は生産や販売体制の縮小を余儀なくされており、厳しい収益環境はしばらく続きそうだ。

グローバルな需要の落ち込みが特に響いているのはマツダだ。新型コロナの影響で算定が難しいことから、21年3月期の業績予想を未定にした。3月の世界販売台数は前年同月比で33%減るなど、前期末から既に厳しい局面を迎えている。

10社のアナリスト予想をまとめたQUICKコンセンサスによると、マツダの21年3月期の連結最終損益は480億円の赤字(前期は121億円の黒字)となっている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは「マツダはプレミアム路線を志向しているが、価格設定を含めて見直す必要性が出てくるかもしれない」と指摘する。

感染防止のためオンラインで決算会見をする企業が目立った(22日、マツオカコーポレーションの会見)

縫製大手のマツオカコーポレーションも今期予想を未定とした。世界的な感染拡大を受けて、アパレル製品の需要減を想定している。松岡典之社長は「外出自粛で販売数の落ち込みは避けられず、在庫は積み上がっている」と話す。収益に与える影響を最小限にとどめるため、取引先の販売量に応じた生産体制を整備する姿勢を強調した。

非製造業では青山商事サンマルクホールディングスなどの主要企業も今期予想を未定とした。

業績予想を出した企業でも厳しい数字が目立つ。今期予想を開示した15社のうち、7社で最終損益の悪化を見込む。

工作機械メーカーの滝沢鉄工所は今期、リーマン・ショック直後の10年3月期以来、11期ぶりの最終赤字を見込む。原田一八社長は、主力の自動車部品向けを中心に「4月は受注高が前年同月比で半分以下に落ち込んでいる。不振は来期も続くのではないか」と予測する。同社では今月から1年程度、輪番で月数日の一時帰休に踏み切った。

内海造船も赤字転落を見込んでいる。新型コロナによる新造船商談の停滞や、鋼材価格の高止まりといった要因が響く。国内における新型コロナの感染状況は落ち着き始めているが、収束後に国内外の需要がすぐに盛り返すかどうかは見込めない。消費や生産活動の低迷が長引く可能性もあり、先行きは不透明だ。(田口翔一朗)

コロナ「悪影響」87%、中国5県の中小


 新型コロナウイルスは中小企業の業績にも打撃を与えている。帝国データバンク広島支店がまとめた調査によると、中国地方に本社を置く企業の87%が「マイナス影響がある」と回答した。
 影響があると答えた企業を業種別にみると、「サービス」が94%と最も高かった。次いで「運輸・倉庫」が93%、「卸売業」が89%と続いた。
 企業からは「建築資材の搬入が遅延しており、工事の遅れや一時停止が発生している」(島根県の建設)や、「家賃は補助や助成ではなく、支払い減免の措置をとってほしい」(広島県の情報サービス)といった声があった。
 中小企業や小規模事業者は、大企業と比べて手元資金が少ない傾向がある。新型コロナの感染拡大の影響の長期化で廃業や倒産の増加が懸念されている。
 調査は4月16~30日、中国5県に本社を置く1250社を対象に実施。647社から回答を得た。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン