JR四国、観光営業再開 足元で利用者増も 前年割れ解消には時間

2020/5/26 19:29
保存
共有
印刷
その他

JR四国は26日、47都道府県すべてで緊急事態宣言が解除されたことを受け、特急列車や観光列車などの運行を順次、再開させると発表した。飲食店の食事券と特急列車きっぷのセット販売などの施策を打ち出し、まずは地元である四国4県での利用を促す。7月からは観光列車も再開させ、中国・関西地方の利用者を呼び込む。

記者会見するJR四国の半井社長(高松市)

記者会見したJR四国の半井真司社長は「外出自粛の疲れを感じている方に、癒やしの旅を提供したい」と話した。6月以降に四国4県で営業するホテルなど、計32施設で使える食事券と各路線の往復きっぷのセット販売を始める。

県境をまたぐ移動がしづらい中、四国4県それぞれで地産地消の観光需要の喚起する。半井社長は「地元の方は、地元に行く機会が意外に少ないのではないか。これを機会に利用してもらい、まずは四国の方に動いてほしい」と述べた。

新しい観光商品を発売するとともに、5月中旬から運休中の約80本の特急列車などの営業を6月中旬から順次、再開させる。運休中の列車を6月末までに通常運行とするほか、営業時間を短縮していた駅きっぷ発売窓口も6月1日から通常営業に戻す。

7月以降には四国4県以外から観光客を呼び込むため、観光列車の運行を再開する。香川と徳島を結ぶ「四国まんなか千年ものがたり」「伊予灘ものがたり」などを運行する。

新型コロナウイルスの感染拡大による損失は大きいが、足元では利用客が戻りつつある。JR四国は4月の新型コロナによる損失額を約17億円と試算。さらに5月1~24日の運輸取扱収入は、前年同期比78%減の5億400万円だったが、足元の15~24日に限れば同70%減と減少幅は徐々に小さくなっている。

半井社長は「底打ち感が出ている」と述べ、6月に会長に就任することを踏まえ、「少し上向きのタイミングで新社長に引き継げることはうれしい」と話した。ただ、利用客の前年割れの状態から脱却するには「かなり時間がかかる」(半井社長)との認識を示した。

鉄道事業の収入減が続き、現預金の流出が続く。JR四国の現金・現金同等物は3月時点で147億円だが、6月末までに尽きる見通しで、足元では50億円前後の水準とみられる。半井社長は「手持ち資金として2カ月分の所要額である約50億円は常に確保したい。このほかに金融機関から短期の借り入れを考えている」と話した。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]