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いすゞ、今期の販売台数はコロナなどで2割減を予想

トラック販売もコロナの影響は大きい

いすゞ自動車は26日、2021年3月期の販売台数予想を前期比21%減の47万6000台と発表した。日野自動車も17%減の15万台になる見通しで、両社が約2割の減少を見込む。トラックは受注生産のため前期は新型コロナウイルスによる販売減は限定的とみられるが、今期は主要市場の東南アジアなどで影響が大きそうだ。収益の確保策が当面の課題となる。

コロナの今後の影響は予想しにくい部分もあるが、いすゞは今期の連結売上高を前期比18%減の1兆7000億円、営業利益を64%減の500億円とみている。経常利益と純利益は予想が困難で未定とした。日野も売上高が17%減の1兆5000億円、営業利益は82%減の100億円程度と大幅マイナスを見込む。

コロナの影響では日野が羽村工場(東京都羽村市)で一時生産を止めた。いすゞも藤沢工場(神奈川県藤沢市)で感染者が出たこともあり、5日間稼働を止めた。海外でも両社はタイなどの東南アジアや北米などで一時的に生産を停止した。

販売面では「3カ月以降、先を見て商売をしており、1~3月には国内でトラックの受注残の落ち込みはほとんどなかった」(日野の佐藤真一取締役)。いすゞも「3月には若干の影響は出たが、軽微な影響だ」(片山正則社長)という。

前期の販売実績はいすゞが前の期比7%減の60万台、日野が11%減の18万台。しかしコロナの影響が本格的に出るのは今期だ。国内では商談回数が落ち込み、海外でも需要減が懸念される。日野の国内事業は「7月以降の販売が落ち込み、年度内は影響が続く」(下義生社長)とみる。海外でも主要市場のインドネシアや米国での回復時期は「21年以降を見込んでいる」(中根健人取締役)と厳しい状態が続く。

いすゞの4~6月の国内トラック事業は受注残があり、影響は軽微という。それでも「5月の受注が前年比で3割程度減っており、本格的な落ち込みは7月以降に来る見通し」(南真介取締役)。タイのピックアップトラックも足元の販売が不振で、回復は今年の後半以降になると見込む。

収益の柱であるトラックの販売の拡大が見込めない中、費用がかかる先進技術への対応も求められる。いすゞは19年にスウェーデンのボルボと提携した。日野は18年に独フォルクスワーゲン(VW)傘下のトラック・バス子会社トレイトンと提携し、20年4月には中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)と電動トラックなどの開発協業を発表した。積極的な連携策が続く。

事業環境が厳しいなかでも次世代技術の開発には資金を投じる。「新領域向けの投資を単純に削るのではなく、設備の老朽化更新の見直しなどメリハリをつける」(日野の中根取締役)。いすゞも今期の開発費は前期より約30億円減らすが「先行開発は引き続き実施する」(片山社長)。中長期的な視点で開発を進めていく考えだ。

利益の下支え役として期待されるのは車両の整備や保守などアフターサービスだ。特に国内では需要の大幅な増加が期待できない状況で、走行状況をモニタリングして故障前に入庫を促すサービスなどに両社が力を入れている。新車販売は世界的に落ち込むが、物流網は動き続ける。保守などのサービスを収益源に育てる知恵が試されている。

(岡田江美)

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