「マカオのカジノ王」死去 98歳、運営権40年独占

【香港=木原雄士】「マカオのカジノ王」と呼ばれた何鴻●(桑の又が火)(スタンレー・ホー)氏が26日、死去した。98歳だった。1960年代から約40年間にわたってマカオのカジノ運営権を独占し、巨額の富を築いた。不動産や香港とマカオを結ぶフェリー事業などを手掛ける複合企業を作り上げたが、経営の一線からは退いていた。
スタンレー・ホー氏は香港生まれ。マカオでランドマークとして有名な「リスボア・ホテル」を創業するなどビジネスを拡大させた。2人目の妻との間に生まれた娘で、複合企業、信徳集団を率いる何超瓊(パンジー・ホー)氏は同日、記者団に「言葉にできない悲しみだ」と語った。
事実上の妻4人と17人の子を持つとされ、事業承継を巡って関係者が骨肉の争いを繰り広げたことでも有名だった。娘がカジノ運営大手、澳門博彩控股(SJMホールディングス)やMGM中国の経営に携わり、息子の1人、何猷龍(ローレンス・ホー)氏は別のカジノ企業、メルコリゾーツ&エンターテインメントを率いている。