テンセント、クラウドなどに7兆円超投資 今後5年で
【広州=比奈田悠佑】中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)は26日、クラウドなどのIT(情報技術)インフラ整備について、今後5年間で5千億元(約7兆5千億円)を投じると発表した。クラウド投資を積極化する競合のアリババ集団に対抗するとともに、中国政府が打ち出している全国的なITインフラの整備方針にも応える。

テンセントが同日、自社のSNS(交流サイト)内で投資方針を明らかにした。クラウドや人工知能(AI)、ブロックチェーン、あらゆるモノがネットにつながるIoT、量子計算といった設備や研究開発へ重点的に資金を投入するという。
クラウドを巡っては、中国市場でシェアトップのアリババが3年間で2千億元を投資する計画を4月に発表したばかり。クラウド事業はデータの受け皿となるサーバーを大量調達してコストを抑え、顧客へのサービス価格を下げることが求められる。シェア2位のテンセントは今回の投資でコスト競争力を高め、アリババに対抗する狙いがあるようだ。
中国政府は5月22日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で「新型インフラ」の建設を進める方針を強調した。新型インフラには高速通信規格「5G」の基地局や高速鉄道、データセンター、IoTなどの設備が含まれる。設備や機械投資で経済を活性化しながら産業や社会の高度化を目指す。
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