静岡県内地銀、コロナで与信費膨らむ 21年3月期

2020/5/26 16:00
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新型コロナウイルス関連融資の拡大で、静岡県内の地方銀行の与信費用が膨らむ見通しだ。静岡銀行の2021年3月期の与信費用(単体ベース)は130億円と前期比5割増える。スルガ銀行は与信費用から償却債権取立益を除いた実質与信費用が約8倍の200億円になる見通し。県内上場地銀3行のうち、静岡銀と清水銀行は21年3月期に最終増益を見込むが、取引先の収益悪化は見通せず、業績の下振れリスクが残っている。

2020年3月期の決算を発表する静岡銀の柴田頭取(11日、静岡市)

2020年3月期の決算を発表する静岡銀の柴田頭取(11日、静岡市)

静岡銀の20年3月期の与信費用は前の期比1.8倍の87億円だった。新型コロナの感染拡大以前に大口の引当処理を行ったためだ。新型コロナの影響を見込んだ引当金は2億円を計上したが、リスク管理債権は920億円と11年3月期以来初めて増加に転じた。

柴田久頭取は「11年3月期に約2400億円あったリスク管理債権を約10年かけて900億円台まで減らしてきた」と説明。「今回、相応額が増えても経営改善を着実に進めて減らしていく」と語った。

清水銀と静岡中央銀行は21年3月期の与信費用の予想を示していないが、新型コロナの影響を織り込んだ前期の与信費用が増えた。

清水銀は前期の与信費用が22億円と前の期の約4倍に膨らんだ。藪崎文敏常務は「(新型コロナによる)予兆として見えている部分を前期に織り込み、今期の不安材料を極力排除した」と説明した。静岡中央銀は前期に与信費用6億3300万円を計上した。

21年3月期の連結業績予想を公表した県内上場地銀3行のうち、静岡銀と清水銀は最終増益を見込む。静岡銀は19年3月期に退職一時金の支払いなどに備える退職金給付信託の返還益を計上した反動が20年3月期に表れた。コロナ禍でも「特殊要因がなくなることでプラスになる」(柴田頭取)としている。

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