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日本フィル・平井理事長 オケなど公益法人見直し要望

日本フィルハーモニー交響楽団理事長の平井俊邦さん

新型コロナウイルスの影響でクラシックの公演が中止となり、オーケストラなどの団体の存続が危ぶまれている。企業再建に手腕を発揮し、楽団の運営にも尽力してきた日本フィルハーモニー交響楽団の平井俊邦理事長に、楽団の現状や必要な支援策などを聞いた。

日本フィルも活動の停止によって大きな影響が出ているといい、今後様々な団体の運営が困難になる可能性がある、という。

平井理事長は日本フィルについて「7月まで活動がストップすると計3億円ほどの収入減が予想される。人件費を中心とした固定費は月5000万円程度。仮に8月からソーシャル・ディスタンス(社会的距離)に配慮しながら公演を再開したとしても年4億円の赤字になり、債務超過に陥ると予想している」と話す。

過去に経営者として、危機的状況にある企業や楽団の再建にあたってきたが、それらとは比較できない危機だという。「事業活動がストップしている状態なので、経営努力のしようがない。できることといえば、金融機関から融資を引き出すことぐらいしかない」

経営危機にひんしているオーケストラが存続していくうえで、制度上の問題も浮上している。「多くの楽団が公益財団法人という形態をとっているが、年間の収入と支出をトントンにしなければならないという『収支相償の原則』がある。利益をあげても積み立てておくことが難しいため、今回のような危機への備えができない」と指摘。さらに「2年連続で純資産が300万円を下回ると、法人資格を失い、解散を迫られる。非常に厳しい制度だ」と訴える。

この問題はオーケストラだけでなく、ほかの芸術団体にも共通する。「オケだけではない。バレエ・オペラといった舞台芸術や美術館など、多くの団体が公益財団法人だ。大半は潤沢な資産があるわけではないし、自治体の予算や支援母体に頼らない自主運営の団体は、軒並み解散の危機が迫っている。芸術の危機だ」とみる。

公益財団法人の見直しについては、資格喪失の猶予期間の設定や、貸付制度の拡充などを求めている。「長期的には抜本的見直しが必要だが、差し当たっては公益財団法人の資格喪失にモラトリアム(猶予期間)を設けてもらいたい。また、無利子無担保の貸付制度の拡充を求めたい。どの団体でも1回融資を受けられたとしても、キャッシュフローは1年持つかどうかという程度ではないか。活動休止が長引けば資金が足りなくなるので、追加融資を受けやすくしてほしい」

(西原幹喜)

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