抗マラリア薬の治験を中断、WHO 安全性に懸念

2020/5/26 6:12 (2020/5/26 10:10更新)
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抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」=ロイター

抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」=ロイター

【ジュネーブ=細川倫太郎】世界保健機関(WHO)は25日、抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の新型コロナウイルスの治療薬としての臨床試験(治験)を一時中断すると発表した。英医学誌ランセットが患者の死亡リスクを増大させると報告したためとしている。薬の安全性のデータなどを検証した上で、再開するか否かを決める方針だ。

ランセットの研究報告書によると、新型コロナの治療にヒドロキシクロロキンなどの抗マラリア薬を使った患者は、服用しなかった人に比べ死亡率が高くなった。この薬を推奨していたトランプ米大統領は、新型コロナの感染予防のためとして毎日服用していたが、20日に飲むのをやめると表明した。

WHOはこれまでの治験で異常が確認されたわけではないと説明したものの、安全性や有効性への懸念から一時中断を決めた。ヒドロキシクロロキンは抗マラリア薬としては米当局がすでに承認しているほか、WHOもマラリアの治療のために服用するのは問題ないとの見解を示した。

WHOは各国と協力して効果的な治療法の発見を目指す臨床試験「連帯トライアル」を進めている。現在は世界17カ国で3500人の患者を対象に4種類の治療薬を試している。

新型コロナウイルスに対する治療では、米国ではヒドロキシクロロキンのほか、米ギリアド・サイエンシズのエボラ出血熱治療薬「レムデシビル」が緊急使用許可を受けている。

このほか抗インフルエンザ薬「アビガン」(富士フイルムホールディングス)、抗エイズウイルス薬「カレトラ」(米アッヴィ)、関節リウマチ治療薬「アクテムラ」(スイスのロシュ、開発元は中外製薬)などについて有効性を確認する治験が進んでいる。

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