10万円支給遅れ「真剣に反省」 首相会見要旨
「新たな日常を作り上げる」

2020/5/25 22:45
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緊急事態宣言の全面解除を表明する安倍首相(25日午後、首相官邸)=共同

緊急事態宣言の全面解除を表明する安倍首相(25日午後、首相官邸)=共同

25日の安倍晋三首相の記者会見の要旨は次の通り。

【緊急事態の解除】

緊急事態宣言を全国で解除する。新規の感染者は50人を下回った。一時は1万人近くいた入院患者も2千人を切った。世界的にも極めて厳しいレベルで定めた解除基準を全国的にクリアしたと判断した。

日本は緊急事態を宣言しても罰則を伴う強制的な外出規制などを実施することはできない。日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で今回の流行をほぼ収束させることができた。「日本モデル」の力を示したと思う。

全ての国民の協力、辛抱してくれた皆様に感謝申し上げる。人口あたりの感染者数や死亡者数を主要7カ国(G7)でも圧倒的に少なく抑え込めている。

【新しい生活様式】

目指すは新たな日常をつくりあげることだ。社会・経済活動を厳しく制限するこれまでのやり方では私たちの仕事や暮らしが立ちゆかなくなる。感染状況に目をこらしながら6、7月と日常を段階的に取り戻す。

あらゆる活動を感染防止対策を講じることを大前提に本格的に再開していく。感染リスクをコントロールしながらどうすれば実施できるかという発想が重要だ。

100を超える業種別の感染防止対策ガイドラインは事業活動を本格的に再開し、新たな日常を作り上げる道しるべだ。事業と雇用はなんとしても守り抜いていく。

緊急事態が解除された後も私たちの身の回りにウイルスは確実に存在する。感染防止を徹底しながら同時に社会・経済活動を回復させる。

【第2次補正予算】

27日に第2次補正予算案を決定する。先般の補正予算と合わせ、事業規模は200兆円を超える。世界最大の対策で100年に1度の危機から日本経済を守り抜く。

総額130兆円を超える強力な資金繰り支援を実施する。規模の大小にかかわらず日本政策投資銀行や公的ファンドを通じ、劣後ローンや出資など資本性の資金を供給する。政府・日銀が一体となって事態を収束させるためにあらゆる手段を講じる。

事業を存続するために固定費負担も大胆に軽減する。人件費への助成を世界で最も手厚いレベルの1万5千円まで特例的に引き上げる。

店舗の家賃負担を軽減するため、最大600万円の給付金を新たに創設する。使い道が全く自由な最大200万円の持続化給付金も対象を拡充し、創業したばかりのベンチャー企業も活用できるようにする。

コロナの時代の新たな日常、その的に向かってこれまでになく強力な3本の矢を放ち、日本経済を立て直す。経済再生こそがこれからも安倍政権の一丁目一番地だ。

集団感染が確認された夜の繁華街の接待を伴う飲食店、バーやナイトクラブなどの施設も6月中旬をめどにガイドラインを策定する。上限200万円の補助金で有効な感染防止対策が講じられるよう支援する。

【接触確認アプリ】

最悪の場合には2度目の緊急事態宣言発出の可能性もある。外出自粛のような社会・経済活動を制限するようなやり方はできる限り避けたい。

感染者をできるだけ早期に発見する。クラスター(感染者集団)対策を一層強化することが必要だ。安心して使える接触確認アプリを6月中旬をメドに導入する予定だ。

【検査体制】

検査体制の強化に引き続き取り組む。抗原検査の使用がすでに始まった。PCR検査も民間検査機関への支援に加え、大学にある検査機器を活用するなど検査機能の拡大を進める。全国100カ所近く設置したPCRセンターを一層拡大する。

【医療体制】

2兆円を超える予算を積み増し、自治体と連携しながら医療提供体制の充実に取り組む。今後の流行の恐れに備え、十分な専用病床を確保する。医療従事者らに最大20万円を給付する考えだ。

【水際対策】

将来的には内外の感染状況などを踏まえながら、国際的な人の往来の再開に向けた検討をしていくことも重要だ。政府として適切なタイミングで総合的に判断する。

【G7首脳会議】

G7首脳会議(サミット)は米国で実際に開催することも含めて調整していると承知している。調整が整い、諸般の事情が許せば私も参加したい。

治療薬やワクチンを透明性の高い国際的な枠組みのもとで途上国も使えるようにしていく。特許権プールの創設を6月に予定するG7サミットで提案したい。

【東京五輪】

来年の夏に感染症に完全に打ち勝った証しとして、完全な形で東京大会を開催したい。

【給付金支給】

10万円給付の遅れは、IT(情報技術)化など十分に進んでいない点があると率直に認めなければならない。例えばマイナンバーカードと銀行口座が結びついていれば、スピード感を持って対応できたと思う。真剣に反省しなければならない。

【9月入学】

9月入学は有力な選択肢の一つだ。与党、自民党でも極めて慎重な議論がある。学校の再開の状況や、子どもたちや保護者はもとより社会全体への影響を見極めつつ、慎重に検討したい。拙速は避けなければならないと考えている。

【黒川前検事長】

法務省・検察庁の人事案を最終的に内閣として認めた責任は首相たる私にある。批判を真摯に受け止めながら職責を果たしたい。森雅子法相は法務省・検察庁の士気を高めて信頼回復のために全力を尽くしてもらいたい。

黒川氏の処分は検事総長も訓告が相当だと判断し処分した。対応を了承しているので処分に行政府の長として責任を持っている。退職金は訓告処分に従って減額されていると承知している。

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