緊急事態を全面解除 経済再開に軸足、6月に移動解禁

2020/5/25 19:30 (2020/5/25 22:13更新)
保存
共有
印刷
その他

緊急事態宣言の全面解除を決め、諮問委員会の尾身会長(左)と記者会見する安倍首相(25日、首相官邸)

緊急事態宣言の全面解除を決め、諮問委員会の尾身会長(左)と記者会見する安倍首相(25日、首相官邸)

政府は25日、東京など5都道県への緊急事態宣言を解除した。4月7日に発令した宣言は約7週間ぶりに全面解除となった。新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立をめざす基本的対処方針も決めた。全国の移動解禁は6月19日から認める。第2波を警戒しつつ経済活動を再開させる新たな段階に移る。

安倍晋三首相は25日の記者会見で「日本ならではのやり方で、わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。日本モデルの力を示した」と強調した。「次なるステージへ、国民とともに力強い一歩を踏み出す」とも語った。

今後の対応に関し「発想を変えていく。社会経済活動を厳しく制限するやり方では仕事や暮らしそのものが立ちゆかなくなる。新しいやり方で日常の社会経済活動を取り戻していく」と訴えた。

感染防止と社会経済活動の回復について「両立は極めて難しいチャレンジであり、次なる流行の恐れは常にある」と述べ、引き続き感染予防に努めるよう呼びかけた。

25日に解除したのは北海道、東京、千葉、埼玉、神奈川の5都道県。政府が解除の目安の一つに挙げた「直近1週間の10万人当たりの感染者が0.5人程度以下」に対し、25日午後8時時点で東京都は0.34人と下回った。

神奈川県と北海道はそれぞれ0.62人、0.74人と目安を上回ったが、感染経路が分かっており医療提供体制も十分なので解除できると判断した。

政府は感染拡大の防止に一定のメドがついたとみて経済活動の再開へ軸足を移す。25日の新型コロナ感染症対策本部で対策の指針となる基本的対処方針を改定し、都道府県知事への通知も決めた。

7月末までを移行期間とし、外出の自粛や施設の使用制限の要請などを緩和しながら「段階的に社会経済の活動レベルを引き上げる」と明記した。3週間ごとに感染状況をみつつ経済活動を徐々に再開していく。

外出や営業の自粛解除は人との距離の確保やマスク着用、在宅勤務の推進など「新しい生活様式」の定着を前提とする。職場や店舗は各業界がつくる指針に沿って営業するよう求めた。

コンサートや展示会は感染防止策を講じたうえで再開をめざす。プロ野球を含む全国的な人の移動を伴う大規模イベントは6月19日から無観客での開催を認めた。

移動の自粛要請も段階的に解除する。不要不急の帰省や旅行など県境をまたぐ移動は5月31日まで自粛を求めた。全国での移動解禁は6月19日の容認をめざし、それまで5都道県への移動に慎重な対応を促した。

首相はクラスター(感染者集団)が発生しやすい夜の接待を伴う飲食店などに関し、6月中旬をメドに指針を設ける考えを示した。

解除後は感染の再拡大を防ぐための検査体制の拡充や、第2波が生じても対応できるだけの医療の提供体制の強化が重要となる。

リスクもある。解除により外出や移動が増えれば感染が再び広がりかねない。米欧などは経済活動の再開に動くが、韓国やドイツでは緩和後に再び感染拡大が生じた。海外から日本への入国制限も直ちに緩めにくい。

緊急事態宣言に関し、政府は4月7日に7都府県に宣言を発令し、16日に全国へ広げた。5月4日には宣言の期限を31日まで延ばした。14日に39県を解除し、21日に大阪、京都、兵庫の関西3府県を対象から外した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]