コロナ重症者の入院治療、診療報酬を3倍に 中医協
厚生労働省は25日、新型コロナウイルス感染症の重症患者を治療する病院への診療報酬を引き上げると決めた。4月に入院料を倍増させたが26日から本来の3倍にする。重症患者を受け入れている病院は通常の3倍以上の人員を確保しており、報酬の倍増でも収支の悪化に歯止めがかかっていなかった。
25日、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会を持ち回りで開いて決めた。重症患者を受け入れる集中治療室(ICU)の入院料は本来、1人1日あたり8万~14万円程度。これを24万~42万円程度にする。「ハイケアユニット(HCU=高度治療室)」と呼ばれるICU相当の病床の入院料も同様に、本来4万~7万円程度のところを12万~21万円程度にする。
新型コロナの入院治療は公費で賄われるため、患者負担は発生しない。
重症患者を受け入れる病院への入院料を巡っては4月18日から倍増してきたが、重症患者の治療には多くの人手がかかりコストに見合っていなかった。日本病院会などの調査によると、新型コロナ患者を受け入れている病院は4月の収入が前年より15%減り収支が悪化した。
人工呼吸器などが外れた後もICUでの入院が必要であれば重症とみなして3倍の入院料を適用する。新型コロナに感染している疑いがある患者が入院した場合、陰性が確認されるまでは感染患者とみなし、本来より多くの診療報酬を受け取れるようにすることも決めた。
必要な国費は200億円程度と見込まれ、予備費で賄う。

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