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コロナ禍で「リスク分散」を確認(投信観測所)

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済への悪影響が深刻化し、投資信託を保有する個人投資家にとっても不安な日々が続く。投信の価格変動リスクが大きくなるなか、「リスク分散」について確認しておこう。

リスクのある金融資産に投資をしようとする個人投資家は、預貯金より高いリターンが得られることを期待する。ただ、リスクはなるべく抑えながら、リターンは一層上げたいという思いもある。このような投資家にとって大切なのは「リスク分散」という考え方だ。投資のリスクを低減させる手法として、「資産分散」と「時間分散」という2つの分散が有効とされている。

「資産分散」によるリスク分散

ひとつの資産に集中して投資するよりも、複数の資産を組み合わせて投資する方が、資産全体の値動きが緩やかになる効果が期待できる。一般的に値動きが異なるとされる資産を組み合わせて投資した場合、ある資産の価格下落をもう片方の資産の上昇が吸収し、リターンが安定する傾向がある。

株式や債券、不動産投資信託(REIT)など各資産の値動きは景気循環の局面で異なるとされる。ただ、短期的に保有資産の値動きが似てくると、資産分散の効果が十分に得られないこともある。このような場合、ファンドの購入タイミングをいく度かに分けてリスクの分散を図る「時間分散」という方法もある。代表例がドルコスト平均法だ。

「時間分散」によるリスク分散

投資する際は、一番安いときに買って、一番高いときに売りたいものだが、そのタイミングをとらえることは非常に難しい。そこで、一度にすべてのお金を投資するのではなく、何回かに分けて投資したり、毎月一定額を積み立てるなど購入時期を分散させることによって、高い時に買い過ぎたり、安い時に買い損ねたりするのを避ける効果が期待できる。

ドルコスト平均法は、想定外の相場の大幅下落による損失リスクをなるべく抑えながら、日々変動する相場に一喜一憂することなく長期的にリスク資産へ投資するのに有効な手法のひとつだ。

20年前に、積み立て投資した場合と一括投資した場合を比較

ドルコスト平均法の手法を使って20年前に積み立て投資を始めた場合と一括投資をした場合の資産額を比べてみると、「全投信の平均」と「国内株式型」では、積み立て投資の資産額が一括投資を上回ったが、その他のファンドタイプでは、一括投資が積み立て投資を上回る結果となった(図表1)。

ドルコスト平均法が有利に働くかどうかは、投資の開始時期やマーケットの影響も大きく、積み立て投資をすれば必ず大きなリターンが得られるとは限らない。

ただし、同期間の値動きを「全投信の平均」で見てみると、積み立て投資が緩やかな上昇基調をたどってきたのに対して、一括投資では市場の動向に左右され、振れ幅が大きくなっているのがわかる(図表2)。

投資のリスクとは価格変動の大きさのことを表す。一括投資をした直後に今回のコロナショックのような想定外の相場下落が起こる可能性もありうる。長期的な資産形成を目指すには、投資の時期を分散するドルコスト平均法で、ある程度リスクを抑えることができる。

(QUICK資産運用研究所 戸崎志賀)

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