緊急事態「必要なくなった」 経済の段階的再開へ 経財相が国会報告

2020/5/25 15:08
保存
共有
印刷
その他

西村康稔経済財政・再生相は25日の衆院議院運営委員会で、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言を全面解除すると報告した。対象地域に残っている東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道の5都道県を宣言対象から外す。

西村氏は「感染の状況、医療提供体制、監視体制などを総合的に勘案し、緊急事態宣言を実施する必要がなくなった」と述べた。宣言の解除を受けて経済・社会活動を段階的に再開させる方針を示した。

新型コロナ対策の指針である「基本的対処方針」を改定し、一定期間を設けた後に外出やイベント開催の基準を緩和すると説明した。「感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立を図る」と強調した。

「ウイルスはゼロにはならない。感染予防の対策をしっかり講じながら、生活や経済を守ることが大事だ」とも述べ、感染防止の措置を続ける重要性を訴えた。「取り組みが不十分になるとまた大流行になりかねない」と指摘し、密集・密接・密閉の「3密」防止や人と人との距離の確保を呼びかけた。

企業にはテレワークやテレビ会議の継続を促した。「元に戻すということではなく様々な手続きのデジタル化をさらに進化させる」と話した。「誰一人取り残すことなく、包摂的な社会をしっかりとつくる」と答弁した。

クラスター(感染者集団)が発生したライブハウスやスポーツジムの再開方針にも言及した。感染予防に取り組む場合は補助金を増額すると説明した。持続化補助金の上限を150万円から200万円に引き上げる案を示し「感染防止のための設備なども含めて補助対象にする」と述べた。

ガイドラインを整備し、6月中にも営業再開できる環境を整える。「ライブハウスは不特定多数の人が密集して大声を出すのでリスクが高い。業界団体と専門家によるさらなる検討の場を設ける」と語った。

感染防止策が確保されれば6月の中下旬から休業要請を解除していくことが考えられるとの認識を表明した。

医療体制の充実に向けて2020年度第2次補正予算案に財政支援を盛り込む。「包括支援交付金を全額国費で負担し、大幅な積み増しを考えている。検討調整を急ぎたい」と話した。「小さな流行がおこりかけたときに感知をするPCR検査体制をしっかり整える」と検査態勢の拡充も進める考えだ。

学校の再開に関してはマスクや消毒液の確保にかかる費用負担に触れた。「こういったものについても対応していかなければいけない。必要な予算をしっかり確保したい」と述べた。

災害発生時の避難所の運営にも万全を期すと明らかにした。災害救助法が適用された自治体については費用を全額国庫負担の対象にすると打ち出した。「ホテルや旅館の活用などできるだけ多くの避難所を確保していきたい。災害時にも感染症対策と両立が図れるように万全を期したい」と語った。

西村氏は参院議院運営委員会でも緊急事態宣言の全面解除について報告した。新型コロナの影響で延期や中止になったコンサートなどのイベント開催費を補助すると表明した。予定していた興行を改めて開催する場合、費用などの2分の1を上限5千万円まで支援する方針だ。

宣言の再指定に関しては「できるなら避けたい。やりたくない。ただしウイルスはどこに潜んでいるかわからず、突然出てくる」と警鐘を鳴らした。「大きな波にしないためにより厳しい基準で判断していく」と強調した。

新型コロナを巡る政府会議の議事録を保存する方針も示した。「新型コロナが歴史的緊急事態に指定されたことを踏まえ、しっかりと記録を残したい」と語った。

政府は25日午前、基本的対処方針等諮問委員会で解除方針を諮り、了承を得た。同日夜に開く政府対策本部で決定する。

緊急事態宣言は4月7日に東京や大阪など7都府県で発令され、同月16日に全国に広がった。5月4日に期限を同月31日まで延長した。

5月14日に39県で、21日には大阪、京都、兵庫の3府県で宣言を解除した。5都道県が解除されれば、約50日ぶりに緊急事態宣言の発令地域がなくなる。

解除は(1)感染状況(2)医療提供体制(3)PCR検査などの監視体制――の3点を踏まえて総合的に判断する。

政府は感染状況に関し「直近1週間の10万人当たりの新規感染者が0.5人以下」「1~0.5人でも感染経路不明の割合など状況次第で解除可能」との目安を示している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]