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テニス・内山が大会新設 「試合見てプロを身近に」

男子テニスで世界ランキング90位の内山靖崇(積水化学)が9月、新たなテニス大会「Uchiyama Cup」を故郷の札幌で立ち上げる。現役選手がトーナメントディレクターを務めるのは珍しい。賞金総額300万円は国内屈指の高額大会。「ジュニアにプロを身近に感じてもらい、プロを志すきっかけになれば」と語る。

「選手目線の大会にしたい」と話す内山

――大会設立の経緯は。

「昨年、目標にしていた世界100位を突破し、応援してもらっていた地元に何か恩返しができないかと考えていた。では何をしようかとなったときに大会をつくるのがいいのではないかと。昔は北海道にもエキシビションの大会があった。いま、コーチをしてもらっている増田健太郎さんたちが出ていて、僕も憧れた。いまはプロのテニスを見る機会がない。テニス人口はそれなりにいるので、そういう機会をつくりたいと思った」

「プロ野球をみると、日本ハムの試合には少年野球チームが観戦に来ている。多くの球団がキャンプをする沖縄では、それを間近で見て育つ子どもたちのレベルも上がる。同じように、この大会を通じてプロを身近に感じてもらえればと期待している」

――大会の概要は。

「会場は自分自身、昔から試合をしていた平岸庭球場。国内ランキングをもっていれば誰でもエントリーできる。シングルス本選のドローにはランク上位者を中心に、予選からの勝ち上がりも含めて64人が入れ、予選には64人が出場できる。ダブルスも本戦32組、予選16組で考えているが、作戦の打ち合わせなどでパートナー同士が近距離になりやすいのがネック。新型コロナウイルスの影響で国際大会でもダブルスはやらない可能性が高いので、今年は難しいかもしれない」

「当初は国際テニス連盟(ITF)のカテゴリーに属する国際大会として考えていた。だが、そうなると立ち上げ段階から海外と頻繁にやり取りしなければならず、労力がかかる。最初のステップとして、運営しやすい国内大会でということになった」

成功させ「他の地域でも」の声を期待

――現役選手がディレクターとなる意義は。

「選手目線で運営できるのが大きい。例えば選手はお客さんに見られてうまくなるのに、決勝が午前9時からという大会がある。大会側の都合が優先され、人に見せることを前提としていない。使用球2球で試合をしている大会もある。ボールがボロボロになってはスピンがかからず、そんな条件で経験を積んでも国際舞台では通用しない。トレーナーやマッサージ師が一人もいないという大会もある。体に痛みがあっても、ひたすら耐えるか棄権の二者択一。こういうことは改めたい」

――新型コロナの感染拡大は企業にも大きな打撃となっている。スポンサー集めが難しいのでは。

「それは間違いない。この状況では自分で札幌に営業にも行けないし、お願いもしにくい。企業も先が見通せないので『何ともいえない』という返答が多い。トーナメントの運営費は賞金総額の2~3倍といわれるが、学生やボランティアに手伝ってもらい、経費を抑える努力も必要だ」

「この大会が成功すれば、他の地域でもやってみようという声が出てくると期待している。それが日本のテニスの裾野を広げる。ウチヤマ・カップを見たり、出場したりした選手がプロになり、僕が現役のうちに対戦できれば本望ですね」

(聞き手は吉野浩一郎)

うちやま・やすたか 1992年札幌市出身。小学2年からテニスを始める。中学から錦織圭も腕を磨いた米IMGニック・ボロテリー・テニス・アカデミーに留学、2011年プロ転向。19年10月、ATPの下部ツアーで優勝し、世界100位を突破。シングルスの自己最高ランキングは78位。

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