米、核実験検討か 中ロに対抗 米メディア報道

トランプ政権
北米
2020/5/23 11:42
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【ワシントン=中村亮】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は22日、トランプ政権が核爆発を伴う核実験の実施について協議したと報じた。実施すれば1992年以来、28年ぶりとなる。強力な核戦力を示すことで中国やロシアに核軍縮を迫る交渉材料になるとの見方が出ているという。国連が1996年に採択した包括的核実験禁止条約(CTBT)に違反し、世界的な核拡散に拍車がかかる恐れがある。

米国が核爆発を伴う核実験を最後に行ったのは1992年=AP

同紙によると、安全保障担当高官が参加した15日の会議で核実験の是非を議論した。政府高官は結論は出ず議論は継続していると説明したが、別の関係者は核実験の実施は見送って別の方法で中ロに対抗していくことが決まったと指摘しているという。

米政府はロシアがCTBTに違反し、爆発力を抑えた超低出力核実験を行っていると主張している。中国についても新疆ウイグル自治区の核実験場で「高水準の活動」が続いているとしてCTBT違反の疑いを注視していく考えを示した。中ロはCTBTを順守していると説明し、米国に反発している。

CTBTは核爆発を伴う全ての核実験を禁止している。米国などが批准せず発効していないが核保有国はCTBTを尊重して核実験を停止してきた。超大国の米国が核実験に踏み切れば他国も追随する恐れがあり、核軍縮の流れが大きく後退しかねない。

米国などは核爆発を伴わない臨界前核実験についてはCTBTの対象外と見なしており、トランプ政権も2019年2月に実施した。

トランプ政権は22日、批准国の軍事施設を上空から査察できる領空開放(オープンスカイ)条約から離脱する方針を関係国に通告した。19年8月には米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約も失効させた。「力による平和」を安保政策の理念とするトランプ政権は圧倒的な軍事力によって抑止力を強化し平和を実現すると主張するが、むしろ軍拡競争を招いているとの見方は多い。

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