9月入学に反対提言 日本教育学会「効果期待できず」

2020/5/22 20:38
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日本教育学会は22日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校長期化を受けて政府内で議論が始まった始業や入学時期の9月移行案について「学習の遅れを取り戻し、学力格差を縮小する効果は期待できない」として反対する提言をまとめた。制度変更にかかる国や自治体、家計への負担は6兆円を超えるとも指摘し、入試選抜方法の改善案なども求めた。

広田照幸学会長(日本大教授)は同日、政府に提言を提出した後に記者会見し「いま急ぐべきは9月入学の議論ではなく、目の前の学校や子どもたちへの対応だ。学校教育の質を高める方策を考えてほしい」と述べた。

提言では、9月入学に移行すれば国際化が進むとの主張について「初等中等教育段階で直接メリットのある児童生徒は極めて限られる」と指摘。政府は現在の学年を半年遅らせる案を軸に検討していることから「義務教育開始年齢引き下げの国際的動向に逆行する」とした。

その上で、9月入学を導入せずに学力を落とさない方法として、オンライン学習環境の整備や複数担任制の導入などを挙げ、追加の人件費を含めても1兆3千億円で実現できるとの試算を盛り込んだ。高校や大学入試を巡っては、試験問題の範囲を学習進度の遅い学校に合わせることなどを提案した。

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