JR四国社長に西牧専務 コロナ難局に「2頭体制」

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2020/5/22 21:03
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JR四国は22日、西牧世博専務(65)が社長に昇格し、半井真司社長(64)が代表権のある会長に就く人事を発表した。新型コロナウイルスの影響などで鉄道事業が落ち込む中、業績の立て直しが喫緊の課題となる。今後は半井社長が業界団体を通じて四国4県の観光振興に力を入れ、西牧新社長が難しい経営のかじ取りを担うことになる。

社長に昇格する西牧世博専務(左)と半井真司社長(22日、高松市)

人事は同日の政府の閣議で了解された。6月下旬の株主総会と取締役会後に就任する。記者会見した半井社長は、この時期に交代した理由を「2021年度からの新たな中期経営計画は、新社長体制で策定すべきだ。もともと20年が1つの目標で、社長就任は1年前に打診した」と説明した。現在の21年3月期を最終年度とする中計は未達となる見込み。鉄道収入は1月まで前年を上回る水準で推移したが、2月から前年割れが続き、3~4月は2カ月連続で過去最低を更新した。

JR四国は中計で黒字化を掲げたが、20年3月期は20億円の経常赤字で国土交通省から指導を受けた。半井社長は「危機的な状況で引き継ぐことに大変申し訳なく思っているが、西牧専務なら乗り越えてもらえる」と期待を寄せた。

西牧専務は「会社発足以来、最悪の危機。新型コロナが甚大な影響を及ぼしている」と述べたが、「悲観的にはなってはいない」と強調。目の前の2つの経営課題の1つとして「いかに早く18年の西日本豪雨前の収益水準に戻すかが大切」と話した。20年3月期に過去最低を更新した224億円の鉄道事業の売上高を、18年3月期の239億円に引き上げる方針だが、「時間がかかる」(西牧専務)とみられる。

もう1つの経営課題である新たな5カ年の中計は年内にも公表する。西牧専務は重点的に打ち出す3つの施策として、鉄道事業の維持・拡大、経費削減、鉄道事業以外の収益源の拡大をあげた。半井社長が力を入れた観光列車の利用促進などに力を入れる。四国に新幹線を開通する計画を「財源の問題があり、簡単にはいかない。(コロナ収束後の)少し先の話」(西牧専務)と話した。

前回の社長交代では泉雅文前社長は代表権のない会長となったが、半井社長は代表権のある会長に就く。泉会長の人事は来週にも発表する。

半井社長は観光産業を促進する四国ツーリズム創造機構の代表理事も務め、「これまで社長業を優先してきたが、活動比率が5対5になるかもしれない。四国の観光産業の回復、振興に全力を尽くす」と話した。4年間の社長任期を「高速道路との競争の中、観光列車を運行して少しでも収入を増やすことができた。地域の方の協力がうれしかった」などと振り返った。(亀井慶一)

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