タイ、4月の金輸出12倍に急増 価格高騰で現金化

2020/5/22 15:55
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【バンコク=村松洋兵】タイの商業省が22日発表した4月の貿易統計によると、金製品の輸出が前年同月の12倍に急増した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて安定資産とされる金の価格が高騰したためだ。タイの地金商が世界的な金取引の中心地であるスイスやシンガポールへ輸出し売却する動きが広がった。

バンコクの金取引店には金製品を売却しようとする人が殺到した(4月15日)=小高顕撮影

金製品の輸出額は約25億ドル(約2700億円)と、輸出全体の1割強を占めた。スイスへの輸出額は15倍、シンガポール向けは2倍に膨らんだ。金は4月中旬にニューヨーク先物相場で7年半ぶりの高値をつけ、東京市場では店頭販売価格が最高値を更新していた。

1997年のアジア通貨危機を経験したタイの国民は、安定資産として金を保有する志向が強い。新型コロナのまん延に伴う経済活動制限で多くの人の収入が減少した。地金商には金製品を売却して現金化しようとする人が殺到した。地金商は手元資金を確保するために、金製品を外国市場で売却したとみられる。

工業製品や農産物を含めた4月の全体の輸出額は同2%増だが、金や石油製品を除くと8%減だった。主力製品の自動車・部品が54%減少した。各国が食料を備蓄する動きを受け、コメの輸出は23%増えた。

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