イラン部隊はシリア駐留を「維持」 駐日イラン大使が会見

2020/5/22 15:24
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イランのラフマーニ駐日大使は22日、テレビ電話会議システムを使った記者会見で「イランはシリアでのプレゼンス(存在)を維持する」と述べ、内戦が続くシリアでイラン革命防衛隊が当面は駐留を続けるという見通しを示した。イランがシリアから撤収するとの一部の報道を否定した。

イランのラフマーニ駐日大使(2019年6月、都内の日本記者クラブ)

シリア情勢を巡り、米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)は21日「イランの戦術的撤収を確認した」という米国務省のイラン担当特別代表ブライアン・フック氏の発言を報じた。米国の同盟国でイランの仮想敵、イスラエルのベネット国防相も18日、イランがシリアから部隊を引き揚げ始めたと明かした。

こうした指摘についてラフマーニ氏は「シリアが助けを求めてくるのであれば、プレゼンスを続けたい」と明言。過激派組織「イスラム国」(IS)などテロ組織と戦うため「シリア政府の正式要請で顧問として駐留している」と説明した。

イランは最高指導者の直属部隊、革命防衛隊の将兵や志願兵をシリアに送り込んできた。イランの部隊はロシア軍と共にシリアのアサド政権軍を支援し、反政府勢力を「テロリスト」と呼んで戦っているのが実態だ。

ラフマーニ氏は、挙国一致型の新内閣を最近、発足させたイスラエルのネタニヤフ首相の反イラン姿勢を「トランプ(米大統領)が無条件でイスラエルを支えていると知っている」と批判。ネタニヤフ政権が7月にも踏み切るパレスチナ自治区の一部併合を「『世紀の取引』という恥ずべき対応だ」と決めつけた。

トランプ氏はパレスチナの入植地におけるイスラエルの主権承認を含む中東和平案を「世紀の取引」と呼んでいる。

一方、ラフマーニ氏は「(近隣の)アフガニスタンとイラクにおける合意」が「イランの戦略的政策に合致する」と述べた。同氏が言及した「合意」が何を指すのか明確でないが、最近ではアフガンで新政権の樹立、イラクではカディミ新首相の就任といった大きな政治的合意があった。

イラクにはイラン革命防衛隊と米軍がいずれも駐留している。ラフマーニ氏の真意は不明だが、中東地域における米国とのパワーバランスに対するイラン側の一定の配慮が背景にある可能性もうかがえる。

イランが新型コロナ対策として国際通貨基金(IMF)に要請した50億ドル(約5400億円)の緊急融資には「(実行に)反対しているのは米国だけだ」と述べ、イランがなお融資を受けていない実情を明らかにした。

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