JR西日本、車内を抗菌加工 在来線5200両に

JR西日本は22日、車両に抗菌加工する作業の様子を報道陣に公開した。新型コロナウイルスへの効果が期待できる抗菌材を車内全体に吹き付ける。緊急事態宣言の解除を受けて関西でも鉄道の利用者増が予想され、利用者の安心感を高める。
抗菌加工は在来線すべての約5200両で実施。まず京阪神エリアを走る約3600両を対象に6月から始め、9月末までに終える。1両あたり2~3時間かけ、車両の内部の壁や座席、手すりなどに抗菌材をまんべんなく吹き付ける。効果は3~5年程度持続するという。
ニチリンケミカル(大阪市)の抗菌材を利用する。壁などに吹き付けると水や酸素と反応してウイルスを無害化し、インフルエンザウイルスやノロウイルスとよく似たネコカリシウイルスへの効果が確認されている。新型コロナウイルスへの効果も期待できるという。
同社の抗菌材はこれまでにJR西で特急「サンダーバード」の車両を喫煙から禁煙に変更する際に消臭のために使用された。大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)でも消臭や抗菌の目的で全車両に使われている。
JR西ではコロナ禍後、車内のアルコール消毒などを定期的に実施している。堀保史・車両部検修課長は「継続的な効果が期待できる抗菌材の吹き付けで、利用者により安全に利用してもらいたい」と話した。