半導体の国際学会VLSIシンポジウム、6月ネット開催

2020/5/22 12:38
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日経クロステック

2020年6月に米ハワイで予定される半導体技術の国際学会「VLSIシンポジウム」は、新型コロナウイルスの影響によって、インターネットを使ってのバーチャル開催となる。運営に当たるVLSIシンポジウム委員会は概要や注目論文などに関するオンライン記者説明会を開いた。

委員長を務める東京大学教授の黒田忠広氏によれば、今年は40回目の記念大会である。シンポジウムはこれまでハワイと日本の京都で交互に開催されてきた。開催日は6月14日~18日(ハワイ時間)。あらかじめ収録したビデオを任意の時間に見られるオンデマンド型と、実際の開催時間に合わせて見るライブ型を組み合わせて行う。

論文発表などはオンデマンド型、基調講演などはライブ型になる。オンデマンド型が観られる期間は6月14日~6月27日(一部は6月7日から可能)。ライブの配信時間は3種類あり、内容によっては異なる地域に向けて同じ内容で2回配信することもあるという。なお聴講するには、学会のホームページで参加登録(有償)する必要がある。

■製造技術、産業界の論文が躍進

複数の委員から、製造技術と回路技術のそれぞれの概要と注目論文の紹介があった。製造技術は19年に比べて、論文投稿数が大幅に増え、採択数も増えた。投稿数は187件から248件へ。採択数は74件から86件へ増えた。

産業界からの論文の投稿・採択が増えたのも20年の特徴で、投稿数では産業界が37%から48%増加、採択数では49%から66%へと大幅増である。また、87件の採択数のうち、日本の論文は13件ある。

製造技術の採択論文87件のうち、今回のオンライン記者説明会 では、半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が発表の「HBM(広帯域幅メモリー)向け低温チップ接合・積層技術」など13件が注目論文として紹介された。

■回路技術、110件の論文のうち日本は10件

回路技術に関する投稿数や採択論文数は、19年に比べて増加しているものの、これは「ハワイ開催時の方が京都開催時よりも多い」というVLSIシンポジウムの長い間続いている特徴と同じだという。過去10年程度の傾向をみると漸減している状況という。

産業界の投稿論文数と学界の投稿論文数の比率も、20年は19年よりも産業界が若干増えたものの、こちらも長期的には学界の比率が増えているようにみえる。20年の採択数は110件で、このうち日本の論文は10件ある。このほかに、日本からは2件の招待講演があるとのことだった。

110件の採択論文のうち、オンライン記者会見では、東京工業大学が発表する「(次世代通信規格)5G向け28ギガヘルツ帯偏波MIMO(マイモ)トランシーバー」など11件が注目論文として紹介された。さらに、日本からの招待講演2件の紹介もあった。

(日経クロステック/日経エレクトロニクス 小島郁太郎)

[日経クロステック 2020年5月21日掲載]

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