世界のコロナ感染者505万人 検査数、新興国で少なく

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2020/5/22 5:50 (2020/5/22 6:46更新)
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低所得者層が多く、感染の実態を把握するのが難しい(5月、ブラジル)=ロイター

低所得者層が多く、感染の実態を把握するのが難しい(5月、ブラジル)=ロイター

新型コロナウイルスの世界の感染者数は21日午後4時(日本時間22日午前5時)時点で505万人となった。最も多い米国では156万人で、ロシアが32万人、ブラジルが29万人と続いた。新興国での感染拡大が深刻で、1日の新規感染者数は世界で最多ペースとなっている。医療支援や感染予防策をどう浸透させるかが試される。

死者数は世界で33万人となり、直近では1日5千人近くが亡くなっている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は20日の記者会見で、1日の新規感染者数が過去最多の10万6千人になったと明らかにした。新規感染者の3分の2を米国、ロシアなどの4カ国が占めるという。

新規感染者が増えている背景には、検査数が増え、感染者の実態がより把握できるようになったことがある。英オックスフォード大学の研究者らによると、感染者数が上位の国の人口1000人当たりの検査数は、米国が1.2人で1カ月前の3倍近くに増えた。ロシアも1.6人で2倍強だ。英国も4月下旬から大きく増え、高水準の検査数を保っている。

検査体制の遅れが目立つのが新興国だ。12万人の感染者がいるインドの検査数は0.07人で人口1万5千人に1人だ。ブラジルは検査数が明らかになっていない。メキシコも5万7千人の感染者がいるが検査率は低い。こうした国々では実際の感染者数が多い可能性がある。

中南米カリブ地域33カ国の感染者数は60万人を超え、1日の新規感染が過去最高となる約3万3千人となるなど増加の一途をたどる。各国とも外出制限などの措置をとっているが、その日暮らしの低所得者層も多く、管理しきれていないのが実情だ。

ブラジルでは感染者が1日2万人弱増えている。病院などが十分でなく、各地で医療崩壊寸前だ。最大都市サンパウロでは、6月以降の祝日を前倒しして20日から大型連休とし、市民の外出を抑える。状況が改善しなければロックダウン(都市封鎖)も検討する。

ブラジルのボルソナロ大統領は新型コロナを「ただの風邪」と呼び「外出制限が経済を破壊する」と述べ、国民に外出を奨励している。感染防止の司令塔となる保健相はボルソナロ氏との対立で1カ月に2回も交代。政治の混乱が感染対策を妨げている面も大きい。

感染者数2位のロシアでは、1日1万人を超えていた感染ペースを徐々に抑えつつある。感染者の半数を占めるモスクワのソビャーニン市長は21日「収束に近づく希望が出てきた」と述べ、カーシェアリングサービスの利用制限を25日から緩和すると表明した。

ただ医療体制が不十分な地方での感染拡大は深刻だ。南部ダゲスタン共和国では国防省が移動式の病院と軍医らの派遣を決めた。現地メディアによると、南部アディゲ共和国で葬儀での集団感染も発生している。

(ニューヨーク=大島有美子、サンパウロ=外山尚之、モスクワ=小川知世)

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