ゴーン元会長の逃亡詳細解明へ ほう助容疑の2人逮捕

ゴーン元会長逃亡
社会・くらし
2020/5/21 20:49
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日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告の海外逃亡事件で、逃亡を手助けしたとされる男2人が米司法当局に逮捕され、東京地検は21日、身柄の引き渡しを正式要請する準備に入った。日米両国の条約に基づき、2人の身柄が引き渡される可能性が出てきた。地検は今後、要請手続きを迅速に進め、ゴーン元会長の逃亡の経緯解明を急ぐ。

逮捕されたのは米国籍で米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員とみられるマイケル・テイラー容疑者と息子のピーター・テイラー容疑者の2人。もう1人のジョージ・ザイェク容疑者については明らかになっていない。

逮捕された2人は20日、米マサチューセッツ州の裁判所のビデオ法廷に出廷したが、ほとんど発言せず、代理人弁護士が今後の司法手続きや日本への身柄引き渡しの条件について確認した。裁判所の判事は、日本から正式な引き渡し要請があれば22日にも改めて審議を行うとした。

日米両国は犯罪人引き渡し条約を結んでおり、一定の要件下で犯罪人の引き渡しを相互に義務付けている。対象となるのは「死刑または無期もしくは1年以上の拘禁刑」の犯罪で、外務省などを通じた外交ルートで行われる引き渡し請求の際には逮捕状の写しや証拠資料なども必要となる。請求を受けた国はそれぞれの国内法に基づき、引き渡しの可否を判断する。

東京地検は1月、ゴーン元会長の逃亡を手助けしたとして、出入国管理法違反ほう助と犯人隠避の疑いでマイケル容疑者ら3人の逮捕状を取った。両容疑者の米国内での逮捕を受け、東京地検の斎藤隆博次席検事は21日、「現在、当庁で、速やかに引き渡し請求を行うべく準備を進めている」とコメントした。

両容疑者の身柄引き渡しで期待されるのが、保釈中だったゴーン元会長の逃亡劇の解明だ。2019年12月、元会長は東京都内から大阪府内に移動した後、大型の箱に隠れてプライベートジェット機に乗り込み、関西国際空港から不正に出国した疑いが持たれている。

米司法当局によると、ピーター容疑者は逃亡計画を実行に移す前に少なくとも3回日本を訪れ、元会長と7回にわたり面会。昨年12月28日にも宿泊先の東京都内のホテルで会った。翌日、マイケル、ザイェク両容疑者がプライベートジェットでドバイから関西国際空港に到着した。

2人は空港職員に「音楽家」だと名乗り、音響装置用の大きな箱2つとともに入国。元会長と合流し、トルコに向けて出国したとされる。

元会長はトルコ・イスタンブールを経由してレバノンに逃亡した。マイケル、ピーターの両容疑者はその後ドバイから米国に帰国。米当局は米国から元会長のいるレバノンに逃亡しようとする動きを察知し、身柄を拘束した。

ただ、逃亡計画などの詳細が判明しても、元会長の身柄引き渡しにつながる可能性は低いとみられる。東京地検などは国際刑事警察機構(ICPO)を通じて元会長を国際手配しているが、日本とレバノンとの間に身柄引き渡しに関する条約はなく、実現は難しい状況だ。

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