オイシックス、「巣ごもり需要」で会員拡大

2020/5/21 19:13
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生鮮宅配のオイシックス・ラ・大地が21日に発表した2020年3月期の連結決算は純利益が落ち込む一方で、売上高は過去最高を更新した。外出自粛の広がりで野菜や調味料がセットになった「ミールキット」の需要が大きく、定期宅配する会員数は15万人を突破した。今期は素材にこだわった商品や子供と楽しめるサービスも拡充し、さらなる成長を目指す。

オイシックス・ラ・大地の野菜やミールキット

前期の売上高は前の期比11%増の710億円、純利益は同67%減の7億9000万円だった。カフェを運営するウェルカム(東京・渋谷)の店舗が臨時休業し、のれん減損を約3億円計上した影響が出た。21年3月期は売上高が9.8%増の780億円、純利益が52%増の12億円を見込む。

業績をけん引したのは傘下ブランド「オイシックス」のミールキット。全国の約4000の契約農家から集めた野菜と調理に必要な分だけ包装した調味料のセットだ。ミールキット1袋で主菜と副菜の2品が作れる。

価格は2人前で1000円からの商品が多い。13年に発売してから累計出荷数が5000万食を超える人気商品で、共働き世帯の時短ニーズや食品ロスを嫌う消費者などの支持を得てきた。

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛や在宅勤務で、料理の機会は増えている。手作りの味噌やピザといった商品も用意し、休校中の子供や在宅勤務中の夫婦などが調理を楽しめるように工夫している。

飲食店の休業も結果的な追い風だ。有名シェフが監修したミールキットも展開しており、自宅でレストラン気分を味わいたい消費者の人気を集めている。オイシックスの会員数は3月末時点で24万5000人と1年で4万人増えた。傘下ブランドの「大地を守る会」と「らでぃっしゅぼーや」を含めた総会員数では約34万人となった。

一方で、課題も見えてきた。3月末には新規入会が急増。物流センターの稼働を増強したがカバーできず、1カ月程度は新規入会を停止した。今期も家庭での調理や食を楽しむといったトレンドが続く見通し。21年9月に新たな物流施設を開業し、出荷可能量を現状の3倍に増やす予定だ。

新型コロナによる顧客のニーズ変化を捉えたサービスを増やそうと、居酒屋「塚田農場」や「串カツ田中」の食材もオイシックスの電子商取引(EC)でそろえた。

4月末にはベネッセコーポレーションの未就学児向け通信教育「こどもちゃれんじ」と共同開発したミールキットも発売した。食材に加えてシールや絵本も用意し、料理の楽しさや食の大切さについて学んでもらう。今後もテーマを変えて新商品を発売する予定だ。

(佐伯太朗)

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