女川原発事故時、指示無視で避難完了に9倍の時間 県試算

2020/5/21 18:15
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宮城県は21日、女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)の事故時に住民が避難する際のシミュレーション結果を公表した。女川原発から30キロ圏の緊急時防護措置区域(UPZ)の4割の住民が指示に基づかずに避難してしまうと、同5キロ圏の予防的防護措置区域(PAZ)の住民の避難完了が通常よりも50時間多い56時間かかるとした。

シミュレーション結果を公表する県の担当者(21日、宮城県庁)

両区域に入る7市町の避難計画に基づき、自家用車やバスなどで避難元から避難先まで移動するのに必要な時間を試算した。2019年4月時点の人口から避難住民を算出し、日中の交通量や信号表示なども考慮した。

東京電力福島第1原子力発電所の事故時には、住民の約4割が自主的に避難した。事故の教訓を踏まえ、今回の試算ではUPZの4割の住民が屋内退避をせず、直接避難所へ向かってしまう場合も想定した。試算では全住民が指示通りに避難すれば、PAZの住民の避難完了は6時間で終わる。

UPZの住民の避難シミュレーションでは、放射性物質の飛散を踏まえ、避難対象となる地域を3方面に分けて試算した。避難完了は女川原発から北西方面が最短の72時間40分となり、最長は西方面の128時間30分となった。

県の担当者は「どこが渋滞するかなどの要因を抽出し、避難計画の改善につなげる」と話した。一方、東北電力は女川原発2号機の再稼働を20年度から22年度以降へと延期したが、県の担当者は「地元同意に向けたプロセスは変わらない」とした。

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