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自宅療養者、宿泊療養者より多く 家庭内感染リスクも

(更新)
軽症や無症状の感染者を受け入れる宿泊施設の部屋(東京都内)=共同

新型コロナウイルスに感染した軽症者がホテルなどでの宿泊療養を拒み、自宅療養を続ける事例が相次いでいる。13日時点の自宅療養者数は宿泊療養者数よりもなお多い。厚生労働省は家庭内感染を防ぎ容体の急変に備えるため、自宅から宿泊施設への移行を促しているが、軽症や家庭の事情などの理由で自宅療養の継続を望む人が多いという。

「自宅に居続けたら家族に感染させたかもしれない。ホテルに移ってよかった」。新型コロナに感染した大阪府の男性(34)は両親と同居しており、ホテルでの軽症者向け宿泊療養を希望した。

ホテルでは医師や看護師らが体調管理にあたる。3畳ほどの部屋にはベッドと机、テレビ、風呂、トイレがあり、食事は1日3食、弁当などが提供されるほか、週に1度ほどお菓子の差し入れも行われる。

男性は療養開始から2週間以上たっても熱が下がらなかった。「発熱が続いて不安もあった。宿泊施設なら容体が急変したら病院にすぐ搬送してもらえるので安心だ」と話す。

厚労省は当初、軽症者や無症状の人は自宅か宿泊施設で療養するよう促していた。しかし、埼玉県で4月、軽症と診断されて自宅待機していた50代と70代の患者の容体が急変し亡くなった。

このため同省は4月23日、「軽症者は宿泊療養を優先させる」との方針を打ちだした。ただ病院への入院は法律上、強制措置が可能だが、軽症者の宿泊療養施設には適用されない。どこで療養するかは患者の判断に委ねられるのが実情で、自宅を選ぶ人が少なくない。

厚労省によると、5月13日時点で、感染が確認されているのは死亡者や退院した人を除き全国で4839人。このうち自宅療養しているのは645人で全体の13%。宿泊施設で療養している人は611人だった。

子育てや介護など家庭の事情で自宅にとどまるケースもあるという。東京都の場合、14日時点でホテルなどの宿泊療養施設の確保数は2865室あるが、入室数は117室にとどまっている。

厚労省は、ホテルなどの宿泊療養施設でも、医師や看護師の配置など一定の基準を満たし、新型インフルエンザ特措法に基づく「臨時の医療施設」に指定すれば、強制的な入院措置も可能との通知を出し、都道府県に対応を促している。

臨時の医療施設は、病床の逼迫を防ぐため、公共施設や病院の敷地内にテントを用いるなどの形で設置する。同省は同施設の活用により、自宅療養による家庭内感染の防止も図りたいとしている。

昭和大学医学部の二木芳人客員教授(臨床感染症学)は「重症化や家庭内感染のリスクを考えて自宅療養はゼロにしなければならない。一方、宿泊療養施設も医療提供体制が十分とはいえない。第2波に備え体制を整備すべきだ」と指摘する。

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