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「新しい鑑賞様式」へガイドライン策定 文化芸術団体

コロナ感染防止で博物館や劇場、映画館など

 営業を再開した「TOHOシネマズ仙台」の作品案内(15日、仙台市)=共同

文化芸術分野の各団体が新型コロナウイルス感染防止のガイドラインを策定している。博物館や美術館は混雑防止のため日時指定予約の導入や、床に1~2メートル置きに目印をつけて来館者の距離を保つことを提言。劇場や映画館も客席の前後左右を空けることを推奨する。具体策は各施設に委ねられ、「新しい鑑賞様式」の確立に向けた試行錯誤が続きそうだ。

国の方針を踏まえ、日本博物館協会、全国公立文化施設協会、映画館の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)や日本図書館協会などがそれぞれガイドラインを公表した。

密閉、密集、密接の「3密」を避けるといった基本に沿って、チケット窓口などでの行列は最低1メートル(できれば2メートル)の間隔を空けることや、ドアノブなど多くの人が触る場所の清掃・消毒の徹底、換気の励行などを盛り込んだ。感染者が発生した場合に迅速に対応できるよう、来場者の氏名や緊急連絡先を記録することも検討する。

すでに再開した美術館や博物館の多くは、スタッフの検温やマスク着用、混雑時の入場制限などの対策を導入している。利用者を県民に限った徳島県立近代美術館や、県外からの来館自粛を求める静岡県立美術館、和歌山市立博物館のように遠方からの来館を抑制する施設もある。

もっとも、ガイドラインには実施が難しい内容も含まれる。博物館や美術館はいつでも入場できるチケットが一般的で「日時指定予約を導入した場合、そうと知らずに来館された方にどこでお待ちいただけばいいのか」(ポーラ美術館)。周知の仕方と待機場所の確保に頭を悩ませる。

座席の間隔を空けることを求められた劇場や映画館。あるミニシアター(小規模映画館)の関係者は「座席数が少ないので間隔を空ければ数人しか入場できない。上映すればするほど赤字」と嘆く。

劇場や音楽ホールでは、必須条件ではないが、出演者同士が舞台上で近づかず、マスクを着用することも盛り込まれた。出演者全員が常に離れたままでいることはほぼ不可能だ。演劇関係者は今後、業界全体で具体策を話し合うという。

音楽界では日本クラシック音楽事業協会と日本オーケストラ連盟、日本演奏連盟、主要な民間・公共ホールが「クラシック音楽公演運営推進協議会」を発足させた。5月中をめどに、公演再開に向けてガイドラインをまとめる計画だ。

不特定多数の人が本や雑誌に触れる図書館では、利用者が返却した資料を一定期間保管・管理する海外の事例が示された。資料検索のためのパソコンは利用者ごとにキーボードを消毒するといった対策も挙げられたが、各館とも限られた人員とスペースで対応できるか不透明だ。

ガイドラインの策定は活動再開への第一歩にすぎない。再び感染が拡大すれば長期休業は避けられないことを念頭に、慎重な準備が必要だろう。利用者の理解を促すとともに、より良い対策を導入すべく国内外で広く情報を共有する努力も求められそうだ。

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