米ウォルマート、ネット販売74%増 コロナ禍で宅配需要
20年2~4月期
(更新)
【ニューヨーク=野村優子】米小売り最大手ウォルマートが19日発表した2020年2~4月期決算は、純利益が前年同期比4%増の39億9000万ドル(約4270億円)だった。新型コロナウイルス関連費用として9億ドルを計上したが、宅配需要の急増が業績を押し上げた。ネット通販の売上高は74%増と、過去最高の伸びを記録。全体の売上高は9%増の1336億ドルだった。
比較可能な既存店売上高は10%増え、市場予想(7.2%増)を上回った。新型コロナの影響で生鮮食品や日用品だけでなく、運動器具や自転車、ミシンなどの売れ行きも好調だった。ダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)は「政府の給付金が支給されてから消費意欲が急速に高まり、衣服やテレビ、ゲームなど幅広い商品が売れるようになった」と指摘した。
ネット売上高の伸び率は前年同期(37%増)から倍増。新型コロナに伴う需要増をにらみ、宅配サービスを強化したことも奏功した。4月中旬に2時間以内に商品を宅配する速達サービスを開始し、対応店舗数も全米1000店に広げた。宅配とネット注文品の店舗受け取りサービスを合わせて、3月中旬以降の新規顧客は4倍に膨らんだ。
ウォルマートは店舗の消毒強化や宅配サービスの拡充に伴い、3月中旬以降に23万5000人を新規雇用。従業員への臨時ボーナスもかさみ、新型コロナ関連費用として9億ドルを計上した。21年1月期通期の業績予想は、新型コロナの影響で先行きが不透明だとして取り下げた。