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コロナ後の日本政治 竹中治堅・政策研究大学院大教授(危機下の政策決定)

■「予算修正含め柔軟に」

新型コロナウイルスの感染が広がった時期、安倍晋三首相が週に何回も審議のために国会の委員会に出席していたのが気になった。政府で対応を議論する時間が奪われるだけでなく、議員が密集する委員会室にいれば感染リスクも高まる。

日本は首相が委員会で拘束される時間が海外に比べても長い。与野党で協議し、非常事態はなるべく首相を拘束しない効率的な国会運営を考えるべきだ。

この危機をきっかけに与野党で首相を長時間拘束しないための努力をしてほしい。平時からこうした取り組みを進めることが大切だ。移動時間を省くために質疑自体をインターネットで実施するという方法を考えても良い。

安倍政権の政策決定過程に一部混乱があった。感染の爆発的拡大を防ぐため2月下旬にイベント自粛や一斉休校を要請したのは迅速で評価できる。

問題はその後だ。4月7日の緊急事態宣言の発令は遅れが否めず、東京都や大阪府の方が動きは早かった。一斉休校への批判や経済の影響を配慮したのだろうが、批判が出てもより早く宣言を出すべきだった。

経済対策のあり方にも違和感がある。3月は感染が広がっていたのに政権は予算は組み替えないという前例にこだわった。迅速に対応するために2020年度当初予算を参院で修正することも可能だったはずだ。前例踏襲の意識では未知の事態に対応できない。

収束後もいつ新たな感染症や震災などの脅威が訪れるか分からない。非常事態の時は予算を組み替えても政権の責任でない。状況に合わせて政策変更する柔軟性を持ってほしい。

思い切った政策を実行するには与党の納得は不可欠だ。今回の減収世帯に30万円支給する方針から一律10万円給付への政策変更で顕著に表れた。コミュニケーションが不足しているとすぐ足をすくわれる。

結局、スムーズな実行を妨げることになる。危機の時こそ政権は政党との意思疎通に目を配り判断することも必要だ。

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