コロナ禍での出産 不安や悩みをサポート

医療・健康
2020/5/23 2:00 (2020/5/23 5:34更新)
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新型コロナウイルスの感染拡大で、妊婦や出産後の育児に不安を抱える人が増えています。里帰り出産の受け入れ休止や、両親学級の中止など取り巻く環境が厳しくなっているためです。出産前後をサポートする首都圏の動きを写真や映像で追いました。

■新生児を守れ

埼玉県幸手市の医療法人社団「ワイズレディスクリニック」は、今月から新生児用のフェースシールドを導入しました。14日に長女の結菜ちゃんを出産した長嶋美菜さん(33)は「対策をしてくれて安心。コロナに負けず元気に育ってほしい」と娘の姿に目を細めます。

現在、同院の立ち会い出産は休止。分娩時は医師と妊婦の間に仕切りを設けて感染を予防しています。面会は病院外の窓越しに制限し、自動ドアのボタンや受付の鉛筆など共用するものはすべて消毒する徹底ぶりです。スタッフ全員もフェースシールドをつけています。

フェースシールドをつけて、自動ドアのボタンを消毒する病院のスタッフ(18日、埼玉県幸手市)

フェースシールドをつけて、自動ドアのボタンを消毒する病院のスタッフ(18日、埼玉県幸手市)

瀬川裕史理事長は「万一感染者が陣痛で運ばれてきても、専用の病室で処置できる体制にしている。他の入院中の人たちと接触しないよう動線も区分けした」と言います。「緊急事態宣言が解除されたあと、最低でも2週間は今の院内の仕組みを維持する」と話しています。

同理事長は新生児用のフェースシールドの作り方をブログで公開しています。ただし呼吸ができなくなる可能性もあるため、決して目を離さず外出時など限られた時間内で利用するよう呼びかけています。

■心のケア、オンラインで

妊婦や乳児がいる親を対象に、出産に不安を抱える人の相談や子育てのアドバイスで大きな役割を果たしているのが「両親学級」です。自治体などで中止が相次ぐなか、「EASE女性のクリニック」(東京都中央区)は、今月からビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったオンラインでの両親学級を始めています。丸山真理子院長は、「妊婦さんが集う大切な場だったが、中止によって彼女らの孤立が深まっている。コミュニケーションがとれる機会を提供したい」と話します。

画面に映した資料を共有しながら、助産師が出産の過程を教える(16日、東京都中央区)=一部画像処理しています

画面に映した資料を共有しながら、助産師が出産の過程を教える(16日、東京都中央区)=一部画像処理しています

16日の集まりには8組が参加しました。女性の1人が「夏生まれでどういう服を着せて良いかわからない」と質問すると、助産師は「赤ちゃんは汗をかきやすいので、服を着せすぎないように」と丁寧にアドバイスをしていました。里帰り出産をやめるか検討しているという参加者は「断念した人はどうしてやめたのですか」と問いかけ、体験談を語り合っていました。「知りたかったことがわかり、出産に向けた不安が和らいだ」との声が聞かれました。

子育て情報サイトを運営する「ベビカム」(東京都千代田区)も、先月からオンラインの両親学級を開催。初回は定員10組の募集に全国から57組が応募するなど、人気が高いようです。講師で助産師の山本智美さん(56)は「知識はネットで得られるが、直接専門家と話して確かめたいというニーズがあるようだ」と話しています。

全国の妊婦らが助産師に相談する、オンライン両親学級の画面(17日、東京都千代田区)=一部画像処理しています

全国の妊婦らが助産師に相談する、オンライン両親学級の画面(17日、東京都千代田区)=一部画像処理しています

(写真映像部 淡嶋健人、中尾悠希、野岡香里那、鈴木輝良)

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