長期投資に必要な成功の前提条件とは?
積立王子への道(5)

積立王子
投資信託
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2020/5/21 2:00
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投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

何にでも長期に投資すればいいわけじゃない

金融機関の窓口で投資信託を勧められ「長期で保有していれば大丈夫です」という説明を受けたことのある人は多いだろう。長期投資は確かに長い時間にわたって投資を続ける。でも何に投資しているのかによって、結果は全く違ってしまう。前回話した「長期で持っているとお金が育つ合理性」を思い出してほしい。

投資は成長する企業への資金提供

長期投資は短期的な相場の値動きで勝負するのではなく、お金を実体経済に働きに出す行為だったよね。つまり経済活動の糧として、自らのお金を投ずるのが本物の投資。それは経済の担い手である産業界が、事業によってより豊かな社会を実現するために必要とする資金を提供することなんだ。

企業は事業成果として売り上げを増やし利益を生む。その増大を成長と呼び、それがマクロで集積したものこそが経済成長だ。成長すれば付加価値が拡大し、それに対する資金提供のお礼として増えた価値の分から分配されるのが長期投資のリターンといえる。

成長のないところにはリターンもない

つまり、投資した先が将来成長することが長期投資で報われる前提条件。成長が見いだせないところに投資を続けても、合理的なリターンは望めない。

残念な例だけど日本経済は平成の30年間ほとんど経済成長できなかった。日本の株式市場の代表的指標、日経平均株価で遡ると、平成元年(1989年)末の3万8915円から30年後、令和元年末の終値は2万3656円で、この間一度も高値を抜けずじまい。やはり成長がない経済に立脚した市場の株価は上がらないから、合理的なリターンは期待できないんだ。

長期に何に投資するか?

長期投資で合理的に報われる条件は、将来にわたって長期的な成長が見いだせる対象に投資を継続すること。つまり投資対象の選択が何より重要だ。お金をどこに働きに出しているかで将来の合理的な成果が決まると言っても過言ではない。では最も長期的に安定した経済成長が見いだせるところとは、一体どこだろう? 次回に解説しよう。

中野晴啓(なかの・はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役社長。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。

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