地形としてのヨーロッパ 詩人 四元康祐

エッセー
2020/6/12 14:00
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日本経済新聞 電子版
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山としてのヨーロッパは、スロベニアの海辺から、イベリアの首根っこまで伸びる隆々たる背骨。その左側で蝉は鳴き、蝶(ちょう)は羽ばたき、人は朗々たる歌声を響かせる。右側では背の高い人々が、冷たい夕食を前に頭を垂れる。

川としてのヨーロッパは、ドナウ、テムズ、セーヌにポー。恋人たちと自殺志願者を岸辺にはべらせ、幾つもの国を越え無数の橋を掻(か)い潜って、沢の清水を海に届ける。だが時には理不尽な激情に駆…

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