顔用防護具、寄付で量産 阪大が病院に無償提供
新型コロナウイルス感染者の治療に当たる医療従事者に使ってもらおうと、大阪大の中島清一特任教授(消化器外科学)らのチームが、安価なクリアファイルを使った顔面用の防護具「フェースシールド」の量産を始めた。18日までにクラウドファンディング(CF)で約2600人から3200万円を超える寄付を集め、態勢を構築。希望する全国の病院に無償提供している。
阪大チームのシールドは、ヘアバンドのような樹脂製フレームにクリアファイルを取り付けて額から顔を覆うもので、感染者に応対する際に飛沫が目や口に入るのを防ぐ。フレームを作るための3Dプリンター用データを4月初めに公開したが、1個作るのに2時間もかかるのが難点だった。
チームは金型やプラスチック成型の7社と連携。CFサイト「レディーフォー」で6月までに3500万円を集め、フレーム20万個を量産、無償提供する計画で、5月上旬には完成したものから配送を始めている。
中島特任教授は「今後予想される第2波への備蓄にも生かしてほしい」と話している。
〔共同〕