独仏、復興基金58兆円を提案 「市場で資金調達」

2020/5/19 5:54 (2020/5/19 7:48更新)
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18日、ビデオによる共同記者会見を開いた独仏首脳=ロイター

18日、ビデオによる共同記者会見を開いた独仏首脳=ロイター


【パリ=白石透冴】独仏政府は18日、新型コロナウイルスで被害を受けた欧州の地域や産業を支えるため、欧州連合(EU)として5千億ユーロ(約58兆5900億円)の復興基金を設立する案を発表した。「EUとして市場から資金を借り入れる」としている。南欧などは歓迎するとみられるが、北部欧州は加盟国による債務の共通化に反対している。合意できるかには不透明さも残る。

メルケル独首相とマクロン仏大統領が共同記者会見で明らかにした。マクロン氏は「独仏共同で、初めて共通化した債務を加盟国に提案する」と語った。

独仏によると、観光業などがこの資金援助を受けることができ、返済義務は無い。必要資金はEUの中期予算に組み込むと提案しており、加盟国が徐々に返済する形式になる可能性がある。

ただコロナ禍で大きな被害を受けた南欧などを助けるために、加盟国の負担が増えるという構図になるのは避けられなさそうだ。オランダやオーストリアはユーロ導入国が共同で資金調達するユーロ共同債(コロナ債)にも強く反対してきた。

オーストリアのクルツ首相は18日、ツイッターで「我々の立場は変わらない。融資で被害を受けた国を助けたい」と発信した。共通化した債務を使った返済義務の無い支援は認められないとの立場を改めて強調し、独仏をけん制した。

欧州メディアによると、加盟国は近くEU首脳会議を開いて復興基金について話し合うことを検討している。これとは別にユーロ圏の財務相は4月、救済基金である「欧州安定メカニズム(ESM)」などを使った5400億ユーロ規模の経済対策で合意している。

独仏はこのほか、健康、医薬、生物科学などの欧州企業への外部投資の監視を強めることも提案した。株価の低迷で買われやすくなっている企業が出ており、中国企業による買収を念頭に置いているとみられる。

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