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業績ニュース

パナソニック、津賀改革「出口」見えず 前期純利益21%減

2020/5/18 21:28
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津賀社長率いるパナソニックは成長の柱になる事業をなお模索している(19年11月、東京・港)

津賀社長率いるパナソニックは成長の柱になる事業をなお模索している(19年11月、東京・港)

パナソニックが18日発表した2020年3月期の連結決算(国際会計基準)は、最終的なもうけを示す純利益が前の期比21%減の2257億円だった。液晶パネル、半導体など赤字事業の撤退を決めたが、まだテレビ事業などが残る。在任9年目に入る津賀一宏社長の構造改革は最終章のはずだが、得意のハードウエアにソフトウエアを組み合わせて稼ぐビジネスモデルを構築する「出口」は見えてこない。

20年3月期の営業利益は29%減の2937億円だった。自動車関連の事業の営業赤字が466億円(前の期は121億円の赤字)に拡大。電気自動車(EV)メーカー、米テスラ向け車載電池事業が赤字だったほか、欧州の自動車メーカーとの取引で発生した減損損失も足を引っ張った。

中国経済失速の影響が大きかった産業機械事業の営業利益は46億円と93%減少した。家電も海外でテレビが苦戦し、同事業の営業利益は557億円と35%減だった。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見通せず、21年3月期の業績見通しは開示しなかった。4月は全社の売上高はインドで落ち込みが激しい一方で中国は前年並みに回復しており、全体では前年同月比2割減という。同日電話会見した梅田博和・最高財務責任者は「ゆるやかに回復し下期(の売上高)は前年同期並みと見ている」と述べた。

同時に「赤字事業はぶれることなく手を打ち続ける」(梅田氏)とも強調した。前期は液晶パネルの生産終了、半導体子会社の売却、テスラと共同運営していた米国の太陽電池工場の撤退などを決めた。営業赤字が100億円を超えるテレビ事業は、展開地域の絞り込みや低価格品の生産委託など「中国企業などと提携を交渉中」(幹部)だという。

もっとも、リストラやコスト減で赤字事業の出血を止めても、売上高を伸ばす成長事業は見当たらないのがパナソニックの構造的な課題だ。

ソニーは12年に就任し18年に退任した平井一夫・前社長が主導し、ゲームなどコンテンツの継続課金で稼ぐビジネスモデルを構築した。ハードに頼らない収益体質をつくり、20年3月期の売上高営業利益率は10%だ。18年3月期が業績好転の節目とされ、平井氏の就任から6年あまりで結果を出した。

パナソニックの津賀社長も12年に就任した。直後に巨額赤字の元凶となったプラズマテレビから撤退するなど構造改革に手を付けたが、いまだにテレビなどハード部門の構造改革を引きずる。20年3月期の売上高営業利益率も3.9%とソニーを大きく下回る。津賀社長は家電や住設をネットにつなげソフトのアップデートで顧客の付加価値を増し、自社も稼ぐ事業モデルを提唱するが具体像はまだ不鮮明だ。

パナソニックは自動車業界における自動運転や電動化など「CASE」の変革に乗じてEV電池などでメガサプライヤーになる成長策を描いたものの、頓挫した。成長の柱になる事業を模索するが社内で危機感が共有されにくいのが実情だ。しがらみにとらわれず、新しいパナソニックに変革できる後継者の選任も、最終章を迎えた津賀氏の責任だ。

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