中国漁船、ソマリア沖でも遺体遺棄か
インドネシア政府が調査へ

2020/5/18 21:03
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【ジャカルタ=地曳航也】中国漁船でインドネシア国籍の船員3人の遺体が太平洋上に遺棄された問題に関連し、東アフリカのソマリア沖でも中国漁船でインドネシア船員の遺体が遺棄された疑いが浮上した。SNS(交流サイト)上に船員の人権侵害や死体遺棄をうかがわせる動画が投稿された。インドネシア外務省は17日、調査に乗り出すとの声明を発表した。

中国漁船は世界の洋上で漁をしている=小笠原島漁業協同組合提供

投稿された動画は3つあり、船内でインドネシア語と中国語が交わされている。インドネシア人船員とみられる男性の衰弱した姿や、何かが入った袋が海に投棄される場面を映している。投稿文ではインドネシア船員が過酷な労働や人権侵害を受けていることを示唆した。

漁業での悪質行為を監視するインドネシアの非政府組織(NGO)「デストラクティブ・フィッシング・ウオッチ」は16日の声明で、ソマリア沖で1月にインドネシア船員の遺体が中国漁船から遺棄されたと断定した。蹴られたり鉄パイプで殴られたりするなどの身体的虐待を受け、医療措置が必要だったにもかかわらず、労働を強いられ、船員が死亡したと指摘している。

インドネシア外務省は17日の声明で漁業団体や動画の投稿者などすべての関係者と連絡を取り、事実を確認するとした。中国とソマリアの隣国であるケニアの駐在大使に対し、現地の当局に情報提供を求めるよう指示したという。

インドネシア船員の海上での遺体遺棄を巡っては、2019年12月から20年3月にかけて3人の遺体が太平洋上に投棄され、同国外務省は中国に事実関係の解明を求めている。船員の弁護士は長時間労働などの人権侵害があったと訴えており、インドネシア外務省は国連人権理事会で8日、水産業での人権侵害に関し注意喚起した。

太平洋上での遺体遺棄に関連し、インドネシアの国家警察は18日までに、同国船員を不法に外国船で働かさせた疑いで3つの人材派遣会社から容疑者3人を特定した。有罪になれば3~15年の懲役刑などが科される。

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