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演劇界が「ネットワーク」構築 公演再開へ道探る

政府が新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を39県で解除した5月14日、演劇界で「緊急事態舞台芸術ネットワーク」が設立された。国立劇場や新国立劇場を除いて、歌舞伎やミュージカル、現代演劇の興行会社や、公立・民間の劇場、劇団など40以上の団体が参加しており、日本の演劇界を横断する異例の取り組みとなる。

同ネットワークはまず、今年2月末以降、公演中止が続いている演劇界のダメージを把握すべく、アンケートを実施した。結果、約3000回の舞台が中止になり、160億円以上の赤字が出たことが判明。また、興行会社のうち3分の1以上が、政府の支援策を利用したとしても、事業の継続は困難、または、大幅な縮小が避けられないとしている。

一方で、公演再開の可能性も見えてきた。緊急事態宣言の一部解除に伴って、公共劇場の団体である「全国公立文化施設協会」(公文協)が「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を発表し、必要な対策の目安を示した。その中には「前後左右を空けた座席配置」「出演者間で十分な間隔を取る」など、順守が容易でない項目もあるが、ガイドラインのすべての実施が求められているわけではなく、今後、同ネットワークで具体策を話し合うという。

ネットワークの世話人の一人であるゴーチ・ブラザーズの伊藤達哉代表取締役は「今後、日本の演劇の形が変わっていくかもしれない」と話す。例えば、感染対策のため客席を満席にできないとすれば、それでも利益が出る作品や演出などを考える必要がある。公演再開後も、主催者や出演者に感染者が出た場合の対応など、検討課題はいくつも見つかるだろう。こうした将来のためにも、演劇界全体の組織を構築できたことの意義は大きい。

(瀬崎久見子)

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